北九州市がパートナーシップ制度を7月1日から開始。「まずは行政から、変えていきたい」

目指すのは「市民一人ひとりが互いに価値観や個性の違いを認め合う」社会。
北九州市のイメージ写真
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福岡県北九州市が、7月1日から「パートナーシップ宣誓制度」をスタートさせることになった。市役所の公式サイトで6月11日までに告知された。ハフポスト日本版では、北九州市の担当者に制度を導入した背景を聞いた。

パートナーシップ制度は、LGBTQカップルを、自治体がパートナー同士と認める制度だ。2015年に東京都渋谷区と世田谷区でスタートしてから、全国に広がっている。

北九州市は全国では23番目、九州では6月10日にスタートした宮崎市に続いて、4番目の導入となる(ハフポスト調べ)。

■パートナーシップ制度導入は、人権の問題だ

北九州市の場合、市民からの要望を受けたものではなく、自治体主導による制度導入だという。

導入の理由について「LGBTQの人たちについて啓発する活動の一つとして、導入しました」と、北九州市の人権推進センターの担当者は説明する。

「これまでLGBTQの人たちの制度をつくっていなかった行政が、LGBTQの人たちに目を向けるようになった、ということは啓発につながると思います」

「また当事者の方にとっては、行政が生き方を後押しし、安心して暮らせるという効果があるのではないでしょうか」

「市民一人ひとりが互いに価値観や個性の違いを認め合い、多様性が認められる社会を目指す」と北九州市のウェブサイトには説明されている
「市民一人ひとりが互いに価値観や個性の違いを認め合い、多様性が認められる社会を目指す」と北九州市のウェブサイトには説明されている

北九州市がパートナーシップ制度の導入を検討し始めたのは、2018年4月頃だ。

「LGBTQの人たちが生きやすい制度をつくることは、人権上の課題だ」という意識が社会的に広まっていたことを受け、導入に向かって動き始めたと担当者は説明する。

北九州市には、LGBTQの当事者団体がなかったため、福岡市の当事者団体などに話を聞くなどしながら準備を進めた。

■行政が変わることで、民間も変えたい

パートナーシップ制度には、婚姻制度と同じ法的な効力はない。

しかし担当者は「行政が制度を作ることで、民間の中での意識も変わるのではないかと思います」と話す。

他の自治体ですでにパートナーシップ制度を利用している当事者の中には、「制度を利用していたために、手術の同意書にサインできた」という人たちもいる

北九州市のパートナーシップ宣誓制度を利用できるのは、市内に在住もしくは転入予定の20歳以上で、一方または双方がLGBTQの当事者であるふたり。

宣誓を希望する場合は、希望日の7日前までに「人権推進センター(093-562-5010)」に連絡して、予約する(予約受付は6月24日から)。

詳しい要件や手続きの流れは、北九州市のウェブサイトから。

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