小泉純一郎元首相、小沢一郎氏と“30年ぶり”に共闘。原発ゼロの鍵は「野党」

「小沢さんとは味方になったり、敵になったりしてきた。権力闘争の世界では珍しいことではない」

小泉純一郎元首相が7月15日、東京都内で開かれた小沢一郎政治塾で、持論の「原発ゼロ」をテーマに講演した。

かつての政敵、自由党の小沢一郎氏と「約30年ぶり」に共闘を果たした小泉氏。講演後の取材で、かつて自身が後継指名した安倍首相について問われた小泉氏は「総理が原発ゼロに舵を切れば、与野党一緒になって実現できる。できるチャンスを逃しているのは惜しい、もったいない」と語った。

安倍政権に対し、厳しい見解を語る小泉氏。持論の原発ゼロへの見通しは?

Satoru Ishido

両氏はかつて、自民党では違う派閥に属し、小泉政権時代には小沢氏は野党の立場から激しく批判していた。かつての政敵が手を握るのは「異例」とも言われる。大義名分は「原発ゼロ」だ。

講演の中で、小泉氏は「小沢さんとは味方になったり、敵になったりしてきた。権力闘争の世界では珍しいことではない」と歴史上の事例をあげながら説明した。

「人間は考え方が変わる。私は総理時代は原発が必要だと言ってきた。辞めてから原発ゼロを主張している」と続けた。

原発ゼロ、実現できる?

小泉氏が主張する「原発ゼロ」は安倍政権下での実現はまずなく、今秋の自民党総裁選でも政策公約に掲げる陣営が出てくるかすら不透明な状況だ。

小泉氏は報道陣に対し、総裁選でどの陣営を支持するかが注目されている小泉進次郎氏は「私の考えを知っている」と語った上で、こう強調した。

「野党がいつ気づくかだ。野党が原発ゼロを争点にできるかが大きい。(野党は)自民党みたいにいろいろ意見が違っても一本になろうという気持ちではない。野党が争点化できるかが今後の鍵になる」

果たして、小泉氏の指摘通り野党は鍵を握る存在になれるだろうか。

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