「差別にノーを言うために私たちは踊っている」LGBT新法を求める集会、渋谷で若者たちが訴えたこと

「私は今日ここに、勇気を持ってきました」。今国会でのLGBT新法の提出を見送った自民党。DJの音楽に合わせ、LGBTQ当事者たちが法律が必要な理由を語りました
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差別や偏見をなくすため、LGBT新法を今国会で成立させて下さい――。

自民党が今国会でのLGBT新法提出を見送ったことを受け、抗議集会が各地で開かれています。

6月6日には、渋谷駅前でドラァグクイーンやDJを招いての緊急集会「0606LGBT新法制定を求めるハチ公前連帯集会」が開催。

若い人たちを中心に様々な人たちが集まり、DJの音楽にあわせて踊りながら、6月16日の今国会会期までに法案を成立させるよう求めました。

そして3人の当事者が、法案がなぜ必要なのかを、集まった人たちや通りがかった人たちに訴えました。

コテツさん「あらゆる差別にノーを言うために踊っている」

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「多分、今ここに目的を持って集まってくれた人たち以外の人たちは、あの人たちなんで踊ってんのって思うと思うんですね。

僕たちは、この社会の中で、ないものとされている、私たちの存在を証明するために踊っているんです。私たちは、あらゆる差別にノーを言うために踊っているんです。

個人的な話をすると、僕はゲイで、ノンバイナリーで、性暴力被害者で、HIVポジティブです。

そんな僕を、誰が守ってくれるの?そんな僕を、この国は守ってくれるの?現状はノーだよ。

私たちは、自分たちを守るために踊っているんです。今はまだ、僕たちの存在を、僕たちの命を守ってくれる制度や法律はありません。

それまで、私たちは連帯して、闘い続け、そしてお互いに守りあって、みんなが平等な社会を作り上げていきます。私たちは、それを求めて踊っています」

イシヅカユウさん「差別にノーと言える国に」

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「私はMTF(トランスジェンダー女性)の当事者です。人前で喋ることはとても苦手で、私は今日ここに来るかもすごく迷ったんです。

だけど、この間の国会での審議があった時の動画や発言の内容を見て、私はとても傷ついて、本当に何もできなくなってしまったんです。

私たちも差別をするかもしれない。してしまうかもしれない。だけど私たちはそれに向き合って、それがノーだ、絶対にダメだっていうことを、ちゃんとずっと考え続けてきました。

だから国もそうするべきだし、LGBTに対しての差別はノーだって言えない国に私はしたくないです。だから私は今日ここに、勇気を持ってきました」

野村恒平さん「これは命に関わること」

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「みなさん、マスクを外させていただきます。私はろう者なので、マスクをしてしまうと顔の表情が見えなくなってしまいます。なので発言の間だけ、マスクを外します。

LGBTの活動家、野村と申します。今日皆さん、集まっていただいて、自民党の法案を提出させるために、みなさん尽力されていただいて、非常に熱意が伝わってきたと思います。

みなさん非常に盛り上がっているこの思いを、とても大切にしていただきたいなと思います。今、なかなか声が届いていないという状況の中、改めて皆さんお一人お一人が力が集結して、声をぜひ届けていきたいと思います。

やはりLGBTQ、本当に様々な悩みを抱えて、社会からの抑圧を受けてきたと思います。それは、命に関わることなのです。命を守る法律が必要です。

そのことをみなさん改めて、6月16日の国会に向けて法案を通すために、みなさんと一緒に声を届けていきたいと思います。本日、親からメッセージをもらってきましたので、お見せしたいと思います。

『今まで、息子が長い時を経過する中で、色々な場面を見聞きし、苦しんだ姿を見るたびに、息子の苦しみは、私たち親の苦しみでもありました。この法案を許可して新しい未来の子供たちのために』

やっぱり子ども達がいます。未来を担う子ども達。これから生きる社会の目標となれる様に、ぜひ声を届けてください。皆さんご協力をお願いいたします」

渋谷から声をあげる

自民党がLGBT新法の法案提出を見送ったことについて、これまで東京都・永田町の自民党本部前など様々な場所で抗議集会が開かれてきました。

また、6月4日にはLGBT関連団体が全国にある自民党の都道府県支部を訪問。今国会での成立を求める要望書を提出しています

今回渋谷での緊急集会を企画したことについて、プライドハウス東京代表の松中権さんは「自民党本部前などの様々なアクションはすごく大事だけれど、一部の人たちがやっているのではないかと思っている国会議員もいるかもしれない。そうではないということを伝えたいと思い、色々な人、特に若い世代がたくさん集まる渋谷で、自分たちなりの表現でできる企画を開催した」と説明します。

今、日本には性自認や性的指向を理由にした差別的取り扱いを禁じる法律はありません。

そのため、「差別や被害が起きた時に、実際に当事者を守ることができない」と当事者たちは訴えています。

さらに、法案を審議する自民党会議で、一部の議員らから「道徳的にLGBTは認められない」などの差別発言が飛び出し、批判が起きました

日曜夕方の渋谷の街に集まった人たちは「#今国会でLGBT新法の制定を求めます」「LGBT差別にNO」など、様々な思いが書かれたカードを掲げ、こういった現状を変えたいと訴えました。

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