【ロンドン】由緒正しいウェストエンドに吹く新しい風

その昔は労働階級者や移民が多く、スラム街として知られていたロンドン東部のイーストエンド地区。今ではすっかりこの街一番の流行発信地として、ショーディッチやブリックレーンを中心に、どんどん素敵なお店やオフィスが増えています。

その昔は労働階級者や移民が多く、スラム街として知られていたロンドン東部のイーストエンド地区。今ではすっかりこの街一番の流行発信地として、ショーディッチやブリックレーンを中心に、どんどん素敵なお店やオフィスが増えています。去年9月には、ご存知エースホテルが米国外第1軒目として「エースホテル・ロンドン・ショーディッチ(Ace Hotel London Shoreditch)」をここにオープンした、と言えば、このエリアがどれだけ注目されているかご想像いただけるでしょう。でもその一方、長年ロンドンの文化的中心地として栄えてきたウェストエンドでも、イーストエンドに負けじとクールなショップやレストランが次々とオープンしているよう。

そんなウェストエンドの新風を感じるには、カーナビー・ストリートやキングリー・ストリートといった定番の遊び場をあえて外して、コヴェントガーデン(Covent Garden)地区の北から東に広がるフィッツロヴィア(Fitzrovia)〜ホルボーン(Holborn)地区へ。この数年でフィッツロヴィアには多くの近代アートギャラリーが生まれたほか、ベテラン・ホテリエ、イアン・シュレーガー監修による「ロンドン・エディション(London EDITION)」が登場したことで、ますます注目度アップ。しかも同ホテル内のレストランは、今ロンドンで最も話題のシェフ、ジェイソン・アサートン(Jason Atherton)が手がけているとあって、ウェストエンドはもちろん、イーストエンドのお洒落さんも訪れることは確実です。

ショッピングは、シックなコンセプトショップや知る人ぞ知るロンドンブランドが集まった、ホルボーン地区のラムズ・コンデュイットおよびラグビー・ストリートをチェック。高品質なベーシックアイテムで人気の「フォーク・クロージング(Folk Clothing)」は、メンズラインに加えて、近日ウィメンズラインもスタート。オリジナルブランドのほか、カルヴェンやスタジオ・ニコルソンといった気鋭ブランドのアイテムも見つかります。開店1年目を迎えた「ダークルーム(Darkroom)」では、幾何学パターンが印象的な洋服やインテリア小物(どれもオーナーが鋭い審美眼で選んだ若手デザイナーの作品ばかり)を、その先にある「ペントリース&ホール(Pentreath & Hall)」では、少しトーンダウンした温かみのある英国風ホームアクセサリーをご覧あれ。

ウェストエンド北西に位置するメイフェア地区では、オークションハウスの「クリスティーズ(Christie's)」が、なんとアートギャラリーをオープン。大手オークションハウスとしては珍しいこの試み。主に戦後期〜近代作品を展示予定とのこと。買い物中、ちょっとアートに触れてインテリ気分でひと息吐く、なんていうのもウェストエンド風の過ごし方。ここから北へ5分ほど歩けば、英国版『GQ』の元エディター兼スタイリストが手がける、どこまでもスタイリッシュなカフェ&ブティック「ハンターギャザー(Huntergather)」が。逆に、南に600mほど行くと、主にロンドンを拠点とする新人デザイナーの作品が並ぶ「ウォルフ&バッジャー(Wolf & Badger)」が。こちらは、あの名門ホテル「サヴォイ(Savoy)」からも、ホテル内ショップのキュレーションを依頼されている、ロンドンの今を鋭く感じさせてくれる一軒です。

そろそろショッピングにも疲れたら、ウェストエンドの心臓部へ。ワイン好きならコヴェントガーデン地区の「テロワール(Terroirs)」へ。日本ではなかなか出会えない、ヨーロッパで小規模生産されたワインを揃えたリストは、好きな人にはたまらないはず。また、人気の「エクスペリメンタル・カクテルクラブ(Experimental Cocktail Club)」の仕掛人チームが手がける初のワインバー「カンパニー・デ・ヴァン・シュールナチュレル(Compagnie des Vins Surnaturels)」も、ロンドンっ子が注目する店です。もう少し強めのお酒が飲みたい時は、ピスコ・ベースのカクテルが揃ったペルー料理店「セビーチェ(Ceviche)」がオススメ。あっさりとした味わいの食事メニューも充実したこのレストランは、2012年の開店以来、高い評判をキープ。去年12月には、イーストエンドの美食家のラブコールに応えるかのように、姉妹店「アンディーナ(Andina)」をオープンしたばかりなのです。もっとがっつり食べたい時は、ハンバーガーなんていかがでしょう。ニューヨーク発「シェーク・シャック(Shake Shack)」もロンドン店をオープンしたばかりだけれど、郷に入れば郷に従え。どうせだったら、ロンドン発の「ミートマーケット(MEATmarket)」にトライ。コヴェントガーデンのジュビリー・マーケット(Jubilee Market)内にあるこのお店は、カウンターでオーダーするタイプのカジュアルなファーストフード屋さん。でもバーガーのレシピは超人気のバーガー&カクテルラウンジ「ミートリカー(MEATliquor)」直伝のものとあって、本格派。しかも、ここでは大人の客層用にアルコール入りミルクシェークまで用意されているんです。

と、新生ウェストエンドを散策しつつも、そのうちなんとなく、昔ながらのクラシカルで穏やかなこの界隈が恋しくなるもの。その時は、コヴェントガーデンとホルボーン地区の境界に佇む「ワン・オールドウィッチ(One Aldwych)」へ向かいましょう。ホテルのロビー・バー(The Lobby Bar)では、現在全英バーテンダー・チャンピオンでもあるバー監修責任者が、季節ごとに考案した本格的カクテルメニューが待っています。また、ホテルの洗練されながらもシンプルなデザインは、クラシックでありながらクールで、普段イーストエンド派の人もウェストエンド派の人も、はたまたそれ以外の場所から訪れた人も、自然と溶け込める空間になっています。

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