慢性期医療に秘められたさまざまな可能性

「長い時間をかけて患者様との関係を構築できることは、慢性期医療の醍醐味といえるかもしれません。」
doctor's office. medical technology concept.
Getty Images/iStockphoto
doctor's office. medical technology concept.

・慢性期医療のニーズの高まりと啓発活動

高齢者は多少なりとも何らかの慢性疾患を抱えており、臓器別だけでみることが難しくなりつつあります。高齢化が進展する日本においては総合医や慢性期医療のニーズは確実に高まっていると言えるでしょう。

そのような中、「良質な慢性期医療が日本を強くする」をテーマに慢性期医療について幅広く周知・啓発していくことを目的に日本慢性期医療協会が2018年6月に立ち上げたオウンドメディアが 慢性期.comです。慢性期.comでは慢性期医療の現場における臨床の話題から政策、最新研究に至るまで各業界のオピニオンリーダーからのインタビュー記事を配信しています。

・臨床における慢性期医療の魅力

永生会理事長として慢性期医療を実践し、現在は衆議院議員としても活躍される安藤高夫先生は慢性期.comのインタビューで慢性期医療のやりがいについて以下のように述べられています。"慢性期医療では、治療を介して、患者様と長い期間をともにします。何度も顔を合わせ気軽に話をする—。そのうち、だんだんと「馴染み」になっていく。このように、長い時間をかけて患者様との関係を構築できることは、慢性期医療の醍醐味といえるかもしれません。"

・金沢大学神経内科学における世界最先端の認知症研究

金沢大学では石川県中島町在住の60歳以上の住民2000名程度を対象とした大規模認知症コホート研究「なかじまプロジェクト」を2006年から進めています。「緑茶の摂取習慣と認知症発症の関連」などの研究成果が海外の医学雑誌に論文として発表されています。金沢大学神経内科学教授の山田正仁先生は認知症医療は未知の領域であり、世界最先端の研究が実現できる分野であると慢性期.comのインタビューで述べられています。慢性期医療において、認知症医療は切っても切り離せない分野です。研究においてもさまざまな可能性があると言えるでしょう。

メディカルノートでも慢性期.comと連携した情報発信を行っています

・リハビリテーション栄養(横浜市立大学、若林秀隆先生)

https://medicalnote.jp/contents/180925-001-OM

・誤嚥性肺炎(東京大学、秋下雅弘先生)

https://medicalnote.jp/contents/180907-003-RI

【執筆/インタビュー】

井上祥(メディカルノート共同創業者・取締役/医師・医学博士)

Medical Note

2009年横浜市立大学医学部卒。横浜労災病院初期研修を経て2011年より横浜市立大学大学院医学教育学・消化器内科学、2015年3月に医学博士。一般生活者の医療リテラシー向上と「医師と患者をつなぐ」を理念に株式会社メディカルノートを創業。Medical Noteは2018年7月時点で月間1000万人を超えるユーザー、47000のFacebookフォロワーを持つ日本有数のオンライン医療情報プラットフォームに成長し、Yahoo!と業務提携。2008年北京頭脳オリンピック"WMSG"チェス日本代表。日本医療機能評価機構EBM普及推進事業運営委員。NPO法人医療の質に関する研究会理事。東京都医学総合研究所客員研究員。横浜市立大学医学部非常勤講師。