マイケル・ジャクソン告発映画が衝撃与える 家族は「公開リンチ」と抗議

4時間にも及ぶドキュメンタリー その内容とは?
マイケル・ジャクソン 1992年撮影
マイケル・ジャクソン 1992年撮影
時事

サンダンス映画祭で、マイケル・ジャクソンの児童性的虐待の疑惑について語られた4時間のドキュメンタリー映画がプレミア上映された。

2019年に米ケーブルテレビHBOで放送予定の『Leaving Neverland (リービング・ネバーランド)』は上映後、観客を大きなショックに陥れた。当作品はジャクソンの過去の栄光にほとんど触れず、ほぼ全編において告発者の2人、子供の時にジャクソンに性的虐待を受けたと訴えるウェイド・ロブソンさんとジェームズ・セーフチャックさんを中心に描かれている。

映画祭の責任者は、この映画が観客の過去のトラウマなどを引き起こすトリガーになる可能性があるとして注意し、必要に応じてすぐ対応できるようにメンタル・カウンセラーをロビーに待機させた。

2部に分かれていた上映の途中、リポーターや映画評論家は映画の情的な強さについて論評した。観客は休憩中、ショックで館内を歩き回っていた。

観客の一部は、あまりにも衝撃的な内容に、上映後の質疑応答まで残れなかったと言う。

「これは公開リンチだ」 ージャクソン家族

当映画が上映に到るまでの道のりは緊迫に満ちていた。憤慨したスターのファンは、このドキュメンタリーを映画祭から外そうとしたが、失敗に終わった。

ジャクソンの家族はこの映画について、「公開リンチだ」と批判している。「みんなマイケルを悪者にしたがります。彼がユニークだから。彼は完全なる捜査を受けました。突然のネバーランドの強制捜査や、陪審裁判も...そして完全無罪と判決が出ています。この件に関してひとつも証拠が出ていないのです。それなのにメディアは嘘の告発を信じようとするのです」と声明で述べた。

「同じような経験をした人に少しでも癒しを与えたい」 ーセーフチャックさん

2005年の裁判では、ロブソンさんもセーフチャックさんもジャクソンから性的虐待を受けなかったと証言した。しかし後になり、彼らが昔ジャクソンにされた事が何だったのかを理解し、ジャクソンの会社を訴訟しようとしたが、不成立で終わった。

上映前、映画祭主催者は抗議運動を想定し多くの警察官を配備したが、プラカードを持った抗議者数人しか集まらなかった。

質疑応答でセーフチャックさんは、彼もロブソンさんもこの映画に参加するにあたり、製作側から金銭を受け取っていない、と強調した。参加は、同じような経験をした人に少しでも癒しを与えたいから、語った。

ロブソンさんは、この映画が性的虐待を乗り越えた人々の話を正当化してくれることを望む、と言う。

質疑応答では、子供の頃に性的虐待を受けたと言う観客が、ロブソンさんとセーフチャックさんは「マイケル・ジャクソンよりずっと世界に良い変化を与えるだろう」と言った。

観客には、Me Too運動の創始者であるタラナ・バークさんもいた。

ハフポストUS版の記事を翻訳、編集しました。

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