これからの経済
2021年02月06日 11時15分 JST | 更新 2021年02月15日 16時30分 JST

マザーハウスからチョコレートが誕生。「美味しくなければサステナブルじゃない」。その意味は?

山崎大祐副社長は「コンビニで買える100円のチョコではない。技を競い合う職人の世界のチョコでもない。ファッションの会社であるマザーハウスにしか作れないチョコを作りたい」と語ります。

マザーハウス提供
マザーハウスの「イロドリチョコレート」

「美味しくなければサステナブルじゃない」

 バッグやジュエリーなどを製造・販売するマザーハウスが2月5日、バレンタインを前にチョコレートの発売を開始した。

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げる同社初のフード事業。

美味しさにも、サステナビリティにも自信を見せる同社の山崎大祐副社長に聞いた。

ハフポスト日本版
マザーハウス副社長の山崎大祐さん

きっかけは、新型コロナ禍での「ステイホーム」

ファッション企業がなぜチョコレートをつくるのか。きっかけは、新型コロナの影響で外出自粛が続いたことだった。

「バッグを持って外に出かける時代じゃない。人が家にこもっていてもマザーハウスの価値を届けるために何ができるのか? と考えた時に、フードで勝負したいと思いました」(山崎さん)

約1年の準備期間を経て、チョコレート皮切りに同社初の食のブランド『Little MOTHERHOUSE』をスタート。

目指すのは、「ファッションのように買ってもらえるチョコレート」だ。

コンビニで買える100円のチョコではない。技を競い合う職人の世界のチョコでもない。ファッションの会社であるマザーハウスにしか作れないチョコを作りたいと思いました」

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マザーハウスの食のブランド「Little MOTHERHOUSE」

 SDGsへの機運も高まる中…

マザーハウスは、バングラデシュをはじめ、ネパール、インドネシアなど6つの途上国で作ったバッグやジュエリーを、国内外の40店舗で販売。原材料や素材の調達から、製造、販売までを全て自社でおこなっている。

チョコレートでも、「全ての工程がトランスペアレント(透明性があり可視化されている)であること」にこだわったという。

国連で採択された「SDGs」達成への機運が高まる中、フェアトレードチョコレートや、「BeanToBar(ビーントゥバー)」と呼ばれるチョコ作りの全工程を自社で一貫しておこなうスタイルのブランドも注目を集めている。

実は、普段、私たちが何気なく食べているチョコレートの裏には、カカオ農家の貧困や、児童労働など、さまざまな社会問題があるのだ。

そんな中、マザーハウスでは、インドネシアのカカオ農園と直接取り引きをしている京都のチョコレートブランド「Dari K(ダリ・ケー)」と協業。人権や環境に配慮した「持続可能な商品作り」を可能にした。

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インドネシア・スラウェシ島の農園でカカオを育てる農家さん

 

結局は「美味しくなければ、サステナブルじゃない!」

まったくノウハウがない中で挑んだチョコレート作りは、いざはじめてみると、ものづくり全般に共通する課題に直面することばかりだったという。

工場に何度も通い詰めた山崎さんはこう語る。

「チョコでもバッグでも、あらゆるものに言えることですが、売る人が作る人よりも“上の立場”にいる、という構造が問題だと改めて感じました」

1年でもっともチョコレートが売れるバレンタインの時期。そこに発注が集中すると中小規模のチョコレートメーカーは季節労働者のようになってしまうのだという。

「そもそも、ものの売り方を変えていかないとダメだな、と改めて思いました」

こうした、ものづくり全体に横たわる課題に一石を投じながら、今後は、コーヒーや紅茶、カレーなどを視野に入れてフード事業を大きくしていきたいという。

「途上国には面白い食材が山ほどあります。その可能性を世界に紹介していくことは、マザーハウスがこれまでやってきたことであり、これからもやり続けていくべきことだと思っています」(山崎さん)

山崎さんとともに事業を進める小田靖之さんは「色々思いはありますが、とにかく美味しくなければ、サステナブルじゃない。美味しい、楽しい、と喜んでいただけるものづくりを続けていきたいと思います」と語った。

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マザーハウスの山崎大祐副社長と、小田靖之さん

どんなチョコ?

インドネシア・スラウェシ島のカカオを使った、マザーハウスのチョコレート。

今回発売されるのは、2種類だ。 

自然由来の素材で色や味をつけた「イロドリチョコレート」(全12種・各税込価格1,296円)は、人工着色料を一切使わず自然由来の素材から抽出した2色のグラデーションが特徴。レザー小物やストールなどで展開しているマザーハウスのアイコン的ラインナップ「IRODORIシリーズ」を応用している。

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マザーハウスの「イロドリチョコレート」

インドネシアの生カカオとカシューナッツをチョコレートでコーティングした「インドネシアオリジンズ」(税込価格2,484円)は、口に入れると、発酵させた生カカオがもつ独特の酸味と、カリッとした食感に驚かされる。 

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マザーハウスの「インドネシアオリジンズ」

全国に33店舗あるマザーハウス各店およびオンラインストアで2月5日から販売される。

(取材・文:南 麻理江

ハフポスト日本版がお届けするネット配信番組「ハフライブ」。2月15日は、チョコレートとSDGsがテーマです。人気お笑いコンビ「チョコレートプラネット」の長田庄平さんとともに、チョコの裏側にある“甘くない真実”を学び、話し合っていきます。

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Maya Nakata
ハフライブ