音楽とテクノロジーのこれからを考える世界の音楽ハッカソン「Music Hack Day Tokyo」、日本で開催

8月21日から23日まで、世界各地で開催されている注目の音楽ハッカソンの日本版「Music Hack Day Tokyo 2015」が開催されます。

今週末8月21日から23日まで、世界各地で開催されている注目の音楽ハッカソン「Music Hack Day」の日本版「Music Hack Day Tokyo 2015」が開催されます。昨年の日本初開催に続いてのイベントとなり、SpotifyやGracenoteなどの海外の音楽サービスに加えて、今年は国内の企業やスタートアップからの参加も拡大し、音楽ハッカーに対する視線が集まっています。

Music Hack Dayは2009年でロンドンで初開催されて、サンフランシスコやパリ、バルセロナ、ニューヨーク、ヘルシンキ、ベルリンなど毎年世界の主要都市で行われている、人気の音楽ハッカソンです。

24時間と限られた時間の中で、ミュージシャンからプログラマー、作曲家、デザイナー、アーティストなど多彩なスキルを持つ参加者がコラボレイトしながら、プログラミングのスキルをフル活用して、まだ世の中に存在しない音楽テクノロジーのプロトタイプを創る、音楽に特化したハッカソンとして世界的なブランドとなっています。

ザ・ガーディアンのオフィスで開催された第一回にはSoundCloudやLast.fmなどがAPIや製品を提供、集まったテックヘッズ達が楽器やハードウェア、ウェブサイト、プロジェクト、ソフトウェアを開発して音楽の可能性を広げています。

その後も音楽ハッカソンは世界各地の音楽テック愛好家達によって主催されるようになり、参加する企業も増えていきます。SoundCloud、Spotify、Deezer、rdio、Echo Nest、MusicGraph、SongKickなどのAPIパートナー。PebbleやLeap Motion、Jawbone、Native Instruments、Ractable、Orphe、ROLIなどハードウェア提供パートナー。さらにはレッドブルやAmazon、ユニバーサルミュージックなどの企業もスポンサーとして参加するほど。

この他にも数えきれないほどの企業がAPIやSDK、ツールを提供してイベントに参加し、テクノロジーと音楽を使った新しいプロトタイプができる環境が実現する、密度の濃いハッカソンです。

今年日本で開催されるMusic Hack Day Tokyoにも、SpotifyやGracenoteなどのAPIに加えて、今年はPepperやJINS MEME、Orpheなど多くのセンシング・デバイスが提供されます。音楽ストリーミングで久しぶりに盛り上がっているデジタル音楽の日本で、この週末は、ウェアラブルやセンサー、楽器などとの連携から、音楽をどう面白く楽しめるかの画期的なアイディアが生まれる場所になるはずです。

API&デバイス・パートナー

Estimote

NTTドコモ

LiveFans

オムロン - 画像センシング・センサ「HVC-C」

Orphe

Gracenote

KORG - littleBits

J!NS - JINS MEME

シンクパワー

Spotify

SendGrid

ソフトバンクロボティクス - Pepper

T-MEDIA

Billboard Japan

レコチョク

ヤマハ - NetVOCALOID

ヤフージャパン

今回のMusic Hack Dayには、ライゾマティクスリサーチのメディアアーティスト、真鍋大度さん。HEART CATCHのCEO、西村真里子さん。ロボティックス・ファッション・クリエイターのきゅんくん。そして海外からはSpotifyのJonathan Marmor、GracenoteのEthan Kaplan、それと自分が審査員で参加します。

審査員

真鍋大度 Media Artist, Rhizomatiks Research

西村真理子 Producer/CEO, HEART CATCH Inc

ジェイ・コウガミ All Digital Music 編集長

きゅんくん ロボティックス・ファッション・クリエイター

Jonathan Marmor Tech Lead, Spotify

Ethan Kaplan GM of Music, Gracenote

Music Hack Dayは、音楽とテクノロジーを愛する人が一同に出会える場所となりました。音楽の世界で必要不可欠になったテクノロジーは、開発者の存在によって日々進化し、人と音楽、そして音楽好き同士の距離を縮めてくれる音楽体験を創出してくれます。その組み合わせは無限にあり、アイディア次第でさらに広がるでしょう。加えて言えることはMusic Hack Dayではサービスやプロダクトを創るための第一歩であって、プロトタイプやアイディアを完成させるプラットフォームです。

つまりは音楽ハッカソンの存在は、画期的なアイディアを生み出す可能性を広げる推進剤でもあり、日本でのデジタル音楽市場を拡大させるヒントかもしれません。しかしその根幹にあるのは、音楽体験の在り方をどれだけ広げられるか、といった現状に対する問いへの回答を考える本質的な議論の場なのかと、ふと思ってしまいます。

日本でのMusic Hack Day開催から日本独自のすばらしいアイディアやプロジェクトがどれだけ湧き出るだろうか? そして、この場所をキッカケにして音楽体験の現状や未来を考えるキッカケができれば最高だと思っています。

ソース

(2015年8月20日「All Digital Music」より転載)

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