大坂なおみ選手、マスクに8人目の名前。「私に力をくれている」人種差別への抗議を続ける

全米オープンに7人の黒人の名前が書かれたマスクで臨んだ大坂選手。8人目の名前が書かれたマスクを投稿しました

人種差別をなくすための大坂なおみ選手の闘いは、今も続いている。

2020年全米オープンに、人種差別や警察の暴力を受けて亡くなった7人の黒人の名前が書かれたマスクをつけて出場し、優勝した大坂選手。

Instagramに8人目の名前が書かれたマスクの写真を投稿した。

マスクに書かれた名前は「エメット・ティル」で、コメントにはティルさんが亡くなった日付「1955年8月28日」が書かれている。

写真は、大坂選手のVogue1月号インタビューに掲載されたものだ。

インタビューで大坂選手は、全米オープンで7枚のマスクをつけた理由を「テレビを通して人種差別の問題を世界中に伝えたかった」と語っている。

「(人種差別の)問題を知ってもらうためにこの機会を使いたいと思ったんです」

「テニスは世界中の人が見てくれます。(マスクに書いてある)名前を知らない人たちが、検索して彼らのストーリーを知ってくれるかもしれない。それが私にとって大きなモチベーションでした。そしてそのモチベーションが、私を優勝させてくれたんだと思います」

8枚目のマスクに名前を書かれたティルさんはシカゴ出身の黒人で、14歳だった1955年8月28日、白人の女性に向かって口笛を吹いたことに激怒した女性の夫やきょうだいらに殺された

ティルさんは、訪れていたミシシッピ州マネーにある親戚の家から連れ去られ、河岸でリンチされ、目玉をえぐり取られ、頭を銃で撃たれて殺された。遺体は、綿繰りに使われる送風機をくくりつけられてタラハシー川に流された

この殺人事件には多くの人が抗議し、公民権運動を高めるきっかけになった

人種差別のない社会を作るための活動をしている「エメット・ティル・レガシー基金」は、Twitterで大坂選手への感謝のメッセージを綴っている。

「大坂なおみさん、エメット・ティルのことを思い出し、彼の残したレガシーを伝えてくれてありがとう。あれから65年経ちましたが、私たちはいまだに正義のために闘っています」

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