ネッシーの正体は巨大ウナギ? 研究チームがDNA調査の結果を発表

その正体をめぐっては様々な説がこれまで出ていました。果たしてこれが決定打になるのか?

ネッシーの正体は、巨大ウナギかもしれない。学術チームの調査結果が世界に衝撃を与えた。

■ネッシーとは?

イギリス北部のネス湖には怪物が住むという伝説があり、その歴史は西暦700年ごろに書かれた「聖コルンバ伝」にまで遡る。

1934年には産婦人科医のロバート・ケネス・ウィルソンが、ネス湖で撮影したという大きな首をもたげた怪物の写真を発表したことで、世界的に知られるようになった。

産婦人科医のロバート・ケネス・ウィルソンが発表したネッシーの写真。
産婦人科医のロバート・ケネス・ウィルソンが発表したネッシーの写真。
ASSOCIATED PRESS

未確認動物の代表格として「ネッシー」や「ロッホ・ネス・モンスター」という名前で呼ばれている。恐竜と同時代に生きた首長竜「プレシオサウルス」の生き残りではないかと憶測を生んだ。

ただし、写真は何枚も撮られているのに、存在を示す決定的な証拠はこれまで出ていない。ウィルソンが撮影した写真も、潜水艦のオモチャに首をとりつけたイカサマだったことを1993年に関係者が告白した

2016年には無人潜水艇が、ネス湖の水深180メートルの湖底で、ネッシーのようなものを撮影した。しかしこれも、1970年の映画「シャーロックホームズの傍系」のために作成されたネッシー型の模型だと判明している

■学術チームの調査結果は?

そんなネッシーの正体を確かめようと、ニュージーランドのオタゴ大学に所属する生物学者ニール・ゲメル教授が率いる調査チームが立ち上がった。2018年10月にネス湖に行き、さまざまな水深の250カ所でDNAを採取した。

ネス湖で採取した水を眺めるニール・ゲメル教授
ネス湖で採取した水を眺めるニール・ゲメル教授
Getty Editorial

データの解析を終えたゲメル教授は再びネス湖を来訪、9月5日に記者会見を開いた。ネッシーの正体について「残念ながら、私たちの調査データからすると、プレシオサウルスというのは厳しい」とした。巨大魚であるサメ、チョウザメ、ナマズのDNAも採取されなかったという。そこで、ゲメル教授が出した推論は「巨大ウナギ」だった。

「ウナギのDNAは非常に大量にあります。ネス湖ではウナギが非常に豊富で、調査点のほぼすべての場所でウナギのDNAが検出されます。DNAからはウナギのサイズまでは分かりません。でも、DNAの量から言って、人々が目撃したネス湖の怪物は巨大なウナギである可能性を無視することはできません」

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