ニュージーランドの銃撃乱射、容疑者が動画で生中継。49人死亡、20人負傷

容疑者の男は襲撃の様子を動画で中継していた
現場を調べる捜査員ら=3月15日、ニュージーランド・クライストチャーチ
現場を調べる捜査員ら=3月15日、ニュージーランド・クライストチャーチ
Anadolu Agency via Getty Images

ニュージーランド中部クライストチャーチの2つのモスク(イスラム教の礼拝所)で3月15日、銃乱射事件が相次いだ。

同日午後5時半(日本時間)現在、49人が死亡、少なくとも20人が負傷した。

警察当局は事件に関与した疑いで、男3人、女1人の身柄を拘束した。

金曜日はイスラム教徒にとって、昼間に崇拝をするためにモスクを訪れる重要な日。事件当時、礼拝所には多くの信者が訪れていた

当局は事件後、国内のモスクに一時的な閉鎖を要請。市民らにも近寄らないよう呼びかけた。市内の学校も数時間にわたって閉鎖された。

警察によると、爆発物が仕掛けられた車も見つかったが、無事処理された。

容疑者とみられる男の1人は、犯行の一部始終を動画で中継、発信していた。

実際に視聴したハフポストUS版の記者によると、映像は「さあ、パーティーを始めよう」という男性の言葉で始まり、車を6分ほど運転してから降りた。

その後モスクと思われる建物に侵入し、多くの人々に向けた銃を乱射した。
約5分後、車で移動し、「狙いを定める時間もなかった。ターゲットが多すぎた」と言ったという。

男は自らを「28歳のオーストラリア国籍」と名乗った。

事件の直前、長文の声明をTwitterとOnlineフォーラム「8chan」に投稿、その中でイスラム教を嫌悪する言葉を繰り返し、白人至上主義の主張を引用していた。

動画はSNSで拡散されたが、視聴した場合、気分を害するおそれがあるため、ハフポストは映像の公開やリンク先の掲載は控える。

警察はビデオをシェアしないよう呼びかけており、IT企業と協力して映像を見られないようにしている。

FacebookやTwitterでは既に犯人のビデオやアカウントを消去したという。

アーダーン首相は「今日はニュージーランドにとって最も暗い日の1つ」と述べた。
その上で、「この事件はかつてない暴力行為」であり「彼らの居場所はニュージーランドにはない」と批判、自身と世界中の祈りは被害者とその家族と共にある、と話した。

ニュージーランドでは、銃乱射事件はここ10年以上起きていなかったという。

ハフポストUS版の記事を翻訳、編集、加筆しました。

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