審判が人種差別発言と、サッカー選手たちが抗議の退場。「人種差別にノー」を示す

UEFAチャンピオンズリーグの試合で、黒人のコーチへの差別発言に選手たちが抗議しました

ヨーロッパのサッカークラブ王者を決めるUEFAチャンピオンズリーグの試合で、人種差別的な発言に抗議した選手たちがピッチを立ち去り、試合が中止になった。

中止になったのは、パリで12月8日に開かれたパリ・サンジェルマンとイスタンブール・バシャクシェヒルの試合だ。

CNNによると選手たちは、バシャクシェヒルのアシスタントコーチで元カメルーン代表のピエール・ウェボ氏に向かって、第4審判のセバスチャン・コルテスク氏が発した言葉に抗議した。

ピッチを立ち去る選手たち(2020年12月8日)
ピッチを立ち去る選手たち(2020年12月8日)
ASSOCIATED PRESS

試合の映像には、始まって15分ほど経過したところで、審判の判定に強く抗議したウェボ氏に向かって「あの黒人だ、あれが誰か調べろ。あそこにいる黒人だ、あんなのはありえない」とコルテスク氏が発言する場面がうつっていたという。

バシャクシェヒルはTwitterに「私たちのアシスタントコーチピエール・ウェボ氏が、人種差別的な言葉で第4審判から退場を告げられました。試合はしばらく中断しています」と投稿している。

コルテスク氏の発言に対し、バシャクシェヒルの選手も抗議した。

ESPNによると、控えメンバーだったデンバ・バ選手が、コルテスク氏に「(白人のことは)『この白人の男』とは言わず『この男』というだろう。なぜ黒人の男性のことは『この黒人の男』と言わなければならないのか」と述べた。

この後、審判の発言に抗議した両チームの選手たちがピッチを立ち去り、試合は中止になった。

人種差別にノー。選手たちが声をあげる

試合が中止になった後、UEFA(欧州サッカー連盟)は声明で「この出来事について徹底的に調査する」と発表。試合については、両チームと協議した結果、12月9日に新しい審判団で試合を再開することに合意したと説明した。

声明の中でUEFAは「サッカーにはいかなる形の人種差別や差別を受け入れる場所はない」と人種差別に反対する立場も示している。

さらに、サンジェルマンのキリアン・ムバッペ選手やネイマール選手など、様々な選手たちも「人種差別にノー」「ブラックライブズマター」といったメッセージで、ウェボ氏へのサポートを表明している。

ムバッペ選手「人種差別にノーと言おう。ウェボ氏、私たちはあなたとともにいます」

ネイマール選手「ブラックライブズマター」

プレスネル・キンペンべ選手「人種差別にノー」

チャグラル・ソユンク選手「ウェボ #人種差別にノー」

フェネルバフチェ「私たちはピエール・ウェボ氏をサポートします」

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