2019年08月19日 10時43分 JST | 更新 2019年08月20日 17時38分 JST

農業×テクノロジー。日本でも、農業の課題解決に向けて、動きが出ています。

「テクノロジー活用によって2025年に水田稲作の労働時間を半減させる」といった効率化を掲げ、実証実験が行われます。

tdub303 via Getty Images

6月に開催されたG20。農業大臣の会合では、日本製の最新型無人走行トラクター「TJV655R」がお披露目となり、海外要人たちから注目を集めた。農業×テクノロジー(アグテック)は、いま世界的にも話題のテーマになっている。その動向や関連求人を見ていこう。

シリコンバレーも熱視線、農業×テクノロジー

農業をテクノロジーの力で、アップデートさせようとする動きがある。

2050年、世界人口は現在の1.3倍、96億人を超える予想。とくに急務とされているのが、食料問題だ。いかに安全な食料を確保し、ムダをなくすか。人類の課題といっていいだろう。

2019年6月には、シリコンバレーで「アグテック・サミット」が開かれた。ユニークなところでいうと「人工衛星を使って農場主にデータ提供をする」といったスタートアップも。

また、農業にディープラーニングを活用する動きも生まれている。たとえばイチゴを検査するAIプログラムや、雑草を検知するシステムなど。

さらに全く新しい農業の形として注目されている領域も。たとえば、「アクアポニックス(*1)」は水耕栽培と水産養殖を組み合わせた「次時代型の農業」と言われる。持続可能な食料生産システムとしての可能性に、いま期待が集まっている。

実際に、アクアポニックスを手がけるEdenworks社(米)は、ケールやチャードといった葉物野菜、サーモン・エビなどの海鮮食品を栽培・養殖。今後、世界最大の生鮮食品サプライヤーとなることを目指す。

(*1) アクアポニックスとは
水やりや除草がいらない農業の形。水耕栽培(土を使わず水で栽培する農業)と水産養殖を組み合わせたシステムだ。魚・エビなどの排出物を微生物が分解し、それを植物が栄養として吸収。また、浄化された水が再び魚の水槽へと戻る、循環型有機農業。

 

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日本政府が進める「スマート農業」の実証実験

日本においても「農業の課題解決」に向けた動きがある。

特に、日本で課題となっているのが農業に携わる生産者の高齢化・減少だ。人手不足が深刻な問題になる中、政府もそういった課題の解決に向けて動き出している。

たとえば、水田稲作の領域では「テクノロジー活用によって2025年に水田稲作の労働時間を半減させる」といった効率化を掲げ、実証実験が行われる(*2)。

その一つが、新潟市で行われている「スマート農業 企業間連携実証プロジェクト」。ICT田植機、ICTコンバインをはじめ、ドローン・人工衛星などを活用。稲作の省力化・高品質化に向けた取り組みが進む(*3)。

国をあげ、農業におけるテクノロジー活用を推進していく。そういった中、転職市場でも「エンジニア」「研究者」をはじめ、「事業企画」「提案営業」といったポジションが募集されるように。ここで実際の求人を見てみよう。(※2019年7月現在の求人です)

DJI JAPAN
世界シェアトップのドローンメーカー。同社では現在、農業市場向けに同社製品の提案をするセールスをはじめ、アプリケーション開発エンジニア、電気回路設計などを募集していた。

ボッシュ
世界最大の自動車システムメーカー「BOSCH」の日本法人。同社では、農業向けAIソリューション装置プランテクトの事業戦略を募集中だ。戦略構築からビジネスモデルの構築、施策の提案まで一貫して携わるという。

また、東証1部上場の総合精密光学機器メーカー「トプコン」では、農業向け自動化システムの法人営業。加えて、無人ロボットトラクタなどを開発する企業では、ロボット研究に関するプロジェクトリーダーを募集していた。

「農業のあり方」を見直し、新しいスタンダードを作る経験ができるとも言えるタイミング。農業に関する専門知識がなくとも、セールス、エンジニアなど今までの経験を活かせる求人も少なくない。

気になった求人があれば、ぜひ「興味あり」で合格可能性を受け取ってみてほしい。

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参考
(*2)2025年の「スマート農業」、稲作の労働時間半減 政府が展望│日刊工業新聞

(*3)スマート農業 企業間連携実証プロジェクト」を開始しました│新潟市