「盗めるアート展」開始時刻前に一瞬で全作品が盗まれる【UPDATE】

「マナーのある泥棒行為をお願いします」と主催者側は呼びかけていたが……。
「盗めるアート展」に群集がなだれ込んだ当時の様子。(7月9日午後11時37分撮影)
「盗めるアート展」に群集がなだれ込んだ当時の様子。(7月9日午後11時37分撮影)
小岡賢治さん提供

東京都品川区内のギャラリーで7月10日午前0時から開催予定だった「盗めるアート展」は開場時間の30分ほど前に人がなだれ込み、一瞬で全作品が盗まれる事態になった。

この展覧会は、来場者1組につき1点限りで展示作品を盗んでいいという奇抜なルールがSNSを中心に大きな反響を呼んでいた。しかし、予定時間に合わせて午前0時に会場に来た人はもはや何も盗めない……という残念な結果に終わった。

主催者側は「アート泥棒される際は、近隣のご迷惑にならないよう静かに、マナーのある泥棒行為をお願いします」と事前に呼びかけていたが、ギャラリーのある住宅街の周辺道路は人が密集し、近隣住民からの苦情で警察官も出動したという。

■「盗めるアート展」とは?

開場前に報道陣に公開された際の「盗めるアート展」の展示作品の一部(7月9日夕方撮影)
開場前に報道陣に公開された際の「盗めるアート展」の展示作品の一部(7月9日夕方撮影)
安藤健二撮影

「盗めるアート展」には、伊藤ガビンさんや、アートユニット「エキソニモ」、写真家の五味彬さんなど計10組の作家の作品が展示。東京都品川区のsame gallery(セイム・ギャラリー)を監視カメラ付きで24時間開放。来場者1組につき1点限りで展示作品を盗んでよいというものだった。

現地にいたTwitterユーザーの小岡賢治さんは、ハフポスト日本版の取材に対して「午後11時半ごろに会場前に行ったところ、周囲の道路も含めて大混雑であり、警察官が誘導灯を持って交通整理をしている状況でした。11時40分すぎには、作品は全て無くなり、会場内から人は追い出されていました。気に入った作品があったら盗むことも検討はしましたが、現地の混雑を見てこれは無理だなと思いました」と話している。

「盗めるアート展」を主催したクリエイティブディレクターの長谷川踏太さんは、次のようにコメントしている。

「人が増えすぎて、道に収まりきらなくなったので、すこし早めに開けようとしていたところに、人が雪崩れ混んできてしまい、一瞬ですべての作品がなくなった感じです。近隣からの苦情で警察が来てしまい、今後、事情を説明に行く予定です。みなさんマナーよく待っていただいていたのですが、想定外の人数と混雑で人が道に溢れてしまい、近隣への迷惑も考え、時間よりも早く開けることになってしまい本当に申し訳ございませんでした。近隣にお住まいの方、せっかく来ていただいたのに、何も見れなかった方々にも、深くお詫び申し上げます」

※長谷川踏太さんからコメントの追加があったので反映しました。(7/10 10:48)

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