人型水中ロボットが水深100mに沈む17世紀の難破船調査に成功

人間に近い形状を持つOceanOneは、人間が潜るには危険な水中環境において、人間と同様の動きを行える点に特徴があります。

スタンフォード大学は、人型潜水ロボット『OceanOne』を開発し、フランス近海、水深100mに沈む『リュネ号』の調査に成功したと発表しました。

OceanOneはもともと、紅海のサンゴ礁を調査する目的で作られた潜水ロボット。物体を立体的に捉える2つの目と、器用にものを掴むロボットアーム、8つのスラスターを装備しており、全長は5フィート(約1.5m)。

ソフトウェアの面では、アームが触れた物体の重さを伝える触覚フィードバックや、触覚データを含む入力データをもとに物体を適切に保持するようハードウェアを制御するための人工知能を搭載しています。

OceanOneの最初のミッションは、17世紀、ルイ14世の治世に沈んだリュネ号の調査。OceanOneのコントロールは船上のコンピュータからフィードバック機能を備えたジョイスティック経由で行います。

リュネ号はフランスの近海100mの深さに沈んだ遺構であり、生身のダイバーが調査するには深すぎる深度にあります。今回の潜行調査でOceanOneは、グレープフルーツほどの大きさの花瓶を回収ケースに収容し、持ち帰ることに成功しました。

人間に近い形状を持つOceanOneは、人間が潜るには危険な水中環境において、人間と同様の動きを行える点に特徴があります。同校は想定用途として、深海採掘や石油リグのメンテナンス、放射性物質などによる汚染環境や海底火山のような高温環境における調査活動を挙げています。

今後について、OceanOneを開発したOussama Khatib教授は、今後は複数台の人型水中ロボットによる調査を実施したい意向を示しています。

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