お祭りでの嬉しかったひととき。-『息子は自閉症。ママのイラスト日記』(33)

こもたろが2年生の頃、家族で地元のお祭りに行った時の話です。

こもたろが2年生の頃、家族で地元のお祭りに行った時の話です。

こもたろはお祭りが大好きで、この日も早い時間から準備して出かけました。たこ焼き、チョコバナナ、綿菓子、ボールすくい、輪投げなどを堪能したところで、「人も多いことだし、少し休もうか」と路地裏に移動しました。

その時です。

「あれ?こもたろくんじゃん!」

後ろから声が聞こえてきました。ここは地元とはいえ、住まいからはちょっと離れた場所。小学校の学区からはほど遠い所です。

まさかこんな所でこもたろの名前を呼ばれるとは思っていなかったので「え?うち?」と半分聞き間違えかなと思いつつ振り返ると、

そこには幼稚園の頃に同じクラスだったお友だちがいました。

「どうしたの?お祭りに来たの?」と、久々に会うのに、まるで毎日会っているかのように話しかけてくれました。

こもたろも驚くことなく「うん!」と元気よく返事をしました。

友「こもたろくん、何した?」

こ「ぼくねー、ボールすくいやったよ」

友「お、たくさんとれたね。すごいじゃん」

その子は、気を遣って声をかけてくれたわけではなく、普通にお友だちとしてこもたろと接してくれていました。

しばらく話をした後、「じゃあ、オレ行くね。こもたろくん、またね!」と別れました。それまでの会話があまりに自然だったので、私もつい「また、小学校でね」と言ってしまい、「ああ、違う小学校だったんだ」と気付いて恥ずかしくなったのですが、お友だちはニコっと笑い「うん!また!」と言って手を振ってくれました。

温かいなぁ。有り難いなぁ。

こもたろが通わせてもらった幼稚園。登園制限の関係で週に2日だけの登園でしたが、お友だちはクラスの一員として受け入れてくれた。どこへ行っていいかわからない時、こっちだよって教えてくれた。ドキドキしてうまくいかない時は、頑張れって声をかけてくれた。幼少の頃の大切な時期を、あの空間で過ごせて本当に良かった。

たくさんわけてもらった優しさ、教えてもらった温かい心が今、こもたろの中で活きています。

これからいっぱい返していかなくちゃね。

何度言っても言い尽くせないのだけれど、本当に本当にありがとうございました。

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