ステイホームに「ひとりじめ」動物園体験を 新型コロナ休業で新たな試み

大牟田市動物園では、Zoomを利用して、遠隔で動物園を楽しむことができるサービス「どうぶつえん ひとりじめ」を始めた。
大牟田市動物園のレッサーパンダ「まい」
大牟田市動物園のレッサーパンダ「まい」
大牟田市動物園

テレビ会議システムのZoomを利用して、遠隔で動物園を楽しむことができるサービス「どうぶつえん ひとりじめ」を、大牟田市動物園が始めた。

ターニングポイントになったのは新型コロナによる休業期間だったという。報道向けに公開しているショートバージョンを体験させてもらった。

カメラを持った広報担当の職員、冨澤奏子さんが「とりの楽園」ゾーンへと向かう。

羽を大きく広げているインドクジャクを見つけると、近寄ってアップで撮影してくれた。クジャクが羽を広げるのは、メスへの「求愛行動」と理解していたが…。

「実は、メスがいなくてもディスプレイ行動は見られるんです。「モテる」と思わせるために誰もいない方向へ向かってもすると言われています」。すかさず解説が入った。

「クワーックワー!」続いて威勢のいい鳴き声。

「面白い鳴き声ですねえ」と問いかけると、「クジャクは猫みたいに鳴くんですよ。たまに横を通過すると、羽がぶつかることもあるんです。羽の長さが自分ではわかってないみたいですね…」とこぼれ話も飛び出した。

新型コロナの影響で、3月から5月末までの期間、休園となった。そこで、休園中でもお客さんに楽しんでもらおうと始めたのがFacebookライブを利用した中継だった。

職員が動物に近寄り、動き回る動物を生中継。次々と寄せられる視聴者からの質問や要望に答え、双方向のやりとりをしながら、その生態を紹介していくこのライブが大好評で、毎回多くの視聴者が楽しみに待っていたという。

「勉強になった」というコメントや、「家から出られないので嬉しい、気晴らしになった」という感想も多かったという。

現在は、園を再開しているが、休園中だからこそできた、ライブ配信の経験をもとに、新たな事業として企画したのが「ひとりじめ」だった。

「休園期間は損失だけではなく、新たな可能性が開いた時間でもありました」と冨澤さん。夏休みの計画も立てづらい今、ぜひ利用して欲しいと話している。

事前予約制で、見たい動物などのリクエストにも、可能な範囲で答えてくれるという。価格は5000円。5箇所からアクセスできるので「離れたところに住んでいて会えない人とも一緒に動物園を楽しんで」と話している。詳しい要項は園の公式サイトから。

注目記事