薬で眠らされたオランウータンが旅行客のスーツケースからみつかる。容疑者「ペットにするつもりだった」

オランウータンは数が激減していて、絶滅危惧種に分類されています。
スーツケースの中からみつかった2歳のオランウータン。23日に撮影。
スーツケースの中からみつかった2歳のオランウータン。23日に撮影。
ANTARA FOTO AGENCY/REUTERS

インドネシア・バリ島のデンパサール空港で、旅行客のスーツケースの中からオランウータンが3月22日に見つかった。オランウータンは推定年齢2歳で、薬で眠らされた状態だったという。

地元警察は23日、スーツケースの持ち主であるロシア人旅行客を逮捕したと発表した。

逮捕されたのは、アンドレイ・ゼストコフ容疑者。

警察によると、ゼストコフ容疑者はオランウータンを友人から贈り物として受け取ったという。友人はオランウータンをジャワ島の市場で3000ドル(約33万円)で買ったとゼストコフ容疑者は主張している。

連れて帰ったオランウータンは、ロシアでペットにするつもりだったとゼストコフ容疑者は話しているという。

警察によると、スーツケースからは生きた状態の2匹のヤモリと5匹のトカゲもみつかった。

スーツケースの中で見つかったオランウータン。籐のバスケットの中で眠っている。
スーツケースの中で見つかったオランウータン。籐のバスケットの中で眠っている。
ASSOCIATED PRESS

オランウータンが発見されたのは22日夜。空港警備員が、籐のバスケットの中で眠っている状態のオランウータンをみつけたと、バリ島環境保護団体の職員クトゥ・チャトゥ・マーバワ氏はAFP通信に明かす。

ゼストコフ容疑者は、密輸を企てた罪で5年以下の禁固刑と7000ドル(約77万円)の罰金を科される可能性がある。

オランウータンの健康状態については明らかになっていないが、23日にロイターが撮影した写真では、活発に動き回る様子がうつっている。

オランウータンはインドネシアとマレーシアに生息していて、近年頭数が激減している。国際自然連合の絶滅危惧種に分類されていて、激減の原因としては森林伐採や違法なペット取引、密漁などが指摘されている。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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