はじめてのSDGS
2019年03月20日 12時03分 JST | 更新 2019年03月22日 15時24分 JST

空気銃で74発以上撃たれたオランウータン、救助されて一命を取り止める

Orangutan Information Centre Facebook Page
保護された、オランウータンのホープ

近年、数が激減して絶滅の危機にさらされているオランウータン。

インドネシアのスマトラ島で3月10日、傷ついている親子のオランウータンがみつかった

親子が発見されたのは、アチェ州の村にあるパーム油プランテーションだ。

通報を受けて2匹を保護した、オランウータン保護団体「オランウータン情報センター」によると、オランウータンは空気銃で攻撃されただけでなく鋭利な刃物で腕や足を切られていた。

およそ生後1カ月と見られる赤ちゃんは、外傷と栄養不足でかなり衰弱した状態だった。

レスキュー隊員が2匹を保護施設へと運んだが、赤ちゃんは途中で命を落としてしまったという。

母親オランウータンも危険な状態だったが、治療を受けて一命をとりとめた。センターの職員たちは、助かったオランウータンに明るい将来があるようにと「ホープ(希望)」と名付けた。

ホープは一命をとりとめたものの、オランウータン情報センターは、体内から少なくとも74発の空気銃の弾がみつかったと発表した。

Orangutan Information Centre Facebook Page
オランウータン情報センターがFacebookに投稿したレントゲン写真

「74発の空気銃の弾が発見され、目を攻撃されていました。骨は折れ、刃物の傷をおっていました。そしていうまでもなく深いトラウマを受けています。しかしホープは諦めません」とセンターはFacebookに綴る。

ホープは17日、折れた鎖骨を治療するために4時間にも及ぶ手術を受けた。手術では骨折の治療を優先し、感染症を避けるために、空気銃の弾は7つしか取り除けなかったという。

Sumatran Orangutan Conservation Programme Facebook Page
手術を受けるホープ

空気銃の弾のうち、4つが左目、2つが右目に打ち込まれており、「ホープは視力を失うだろう」と治療した「スマトラ・オランウータン保護プログラム」の獣医師、ヤニー ・サラスワティー氏はAP通信に語った。

「ホープは、この危機を乗り越えて欲しいと思います。しかし乗り越えたとしても野生に戻ることはできないでしょう」とスラウェシ氏はいう。

厳しい状態だったが、ホープはセンターで徐々に回復している。「ホープはこの苦しみを乗り越えられると思います。本物のファイターです」とセンターはコメントしている。 

 <保護センターで回復し始めているホープ(動画)>

 

森の住人」という名前を持つオランウータン。国際自然保護連合のレッドリストに載っており、近年頭数が激減している。

2018年の研究によると、ボルネオ島のオランウータンの約半数に当たる10万頭が、1999〜2015年の16年間で死んだ。

主な原因は宅地開発や、プランテーションや製紙業など商業的開発による森林破壊だ。

オランウータン情報センターによると、違法なパーム油のプランテーション開発が、オランウータンにとって脅威となっている。ホープと赤ちゃんが見つかったのも、そういった違法プランテーションだった。

簡単に手に入る空気銃も問題になっている。空気銃で狙撃されたオランウータンを、オランウータン保護プログラムは過去10年で15頭保護しているとAP通信は伝える。