『Bao』がアカデミー短編アニメ映画賞に輝く。ピクサー映画で初の女性監督の快挙「あなたのストーリーを世界へ語ることを恐れないで」

ある日、中華まんに命が宿った。すると...
『Bao』のドミー・シー監督(右)とプロデューサーのベッキー・ニーマン・コブさん(左) 2019年2月 第91回アカデミー賞
『Bao』のドミー・シー監督(右)とプロデューサーのベッキー・ニーマン
・コブさん(左) 2019年2月 第91回アカデミー賞
Getty Editorial

小さな中華まんのお話がアカデミー賞を受賞した。

『インクレディブル・ファミリー』と劇場で同時上映された短編映画の『Bao(バオ)』は、アメリカ・ロサンゼルスで2月24日(現地時間)に行われた第91回アカデミー賞で、短編アニメ映画賞を受賞。

これは、ピクサー映画監督で初の女性、初のアジア人である中国系カナダ人のドミー・シー監督の受賞という快挙となった。

「スケッチブックの後ろに隠れているすべての内気な女の子たちへ。あなたのストーリーを世界へ語ることを恐れないで」

「みんなを驚かせるかもしれないけど、それで彼らと繋がることもできる」

プロデューサーのベッキー・ニーマン・コブとともに賞を受け取ったシー監督は観客に呼びかけた。

『Bao』のワンシーン
『Bao』のワンシーン

作品は、息子が成長し家を離れて寂しくてたまらない中国人の母親を中心に描かれている。ある日、手作りの中華まんにかわいい命が宿り、もう一度母親となる。しかし、中華まんの男の子「バオ」も、永遠に小さく可愛いわけではなく...。

物語はカナダ・トロントの中国人コミュニティを舞台に展開し、シー監督の一人っ子で育った経験がベースとなっている。

映画では、多くの移民の子供が経験する、母国(この映画では中国)と西洋文化の間での葛藤を表現し、称賛を浴びた。

多くのアジア人観客は、映画で描写される身近なモノ・コトに共感し称賛したが、アジア人以外の観客の中には、内容をややこしく感じた人もいたようだ。

それでもソーシャルメディアでは、
「最高にキュートな映画!」「感動して号泣した」
など作品を讃えるコメントが多く寄せられた。

また、受賞に対しアジア人からは、
「受賞おめでとう。この物語は私のような移民家族にとってとても意味があります。家族の大切な愛と喪失を描いてくれてありがとう。」
と、心温まるメッセージも見られた。

『Bao』は『インクレディブル・ファミリー』のDVDとブルーレイにボーナス・コンテンツとして収録されている他、短編映画だけを集めた『ピクサー・ショート・フィルム Vol.3』にも収録されている。

『ピクサー・ショート・フィルム Vol.3』ブルーレイ(3,800円+税)、DVD(3,200円+税)発売中、デジタル配信中© 2019 Disney/Pixar https://www.disney.co.jp/studio/animation/1483.html
『ピクサー・ショート・フィルム Vol.3』ブルーレイ(3,800円+税)、DVD(3,200円+税)発売中、デジタル配信中
© 2019 Disney/Pixar
https://www.disney.co.jp/studio/animation/1483.html

ハフポストUS版の記事を翻訳、編集、加筆しました。

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