小澤征爾氏、大動脈弁狭窄症で1カ月入院 オペラ指揮を降板 「暖かくなる頃には体力も回復」

医師の岡田正人氏も小澤氏の容態についてコメントを発表した
小澤征爾氏
小澤征爾氏
TOSHIFUMI KITAMURA via Getty Images

指揮者の小澤征爾氏(82)が大動脈弁狭窄(きょうさく)症と診断され、治療のため1ヶ月入院することが「小澤征爾音楽塾」の公式サイトで8日、発表された。今月、出演予定だった『小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXVI』も全公演(東京・愛知・京都)の降板が決定した。

サイトでは同公演でラヴェルの歌劇『子どもと魔法』の指揮者が小澤氏からデリック・イノウエ氏へ変更となったことと、小澤氏の全公演降板を発表。「小澤は、病院で検査を受けた結果、3月2日(金)に『大動脈弁狭窄症』であることがわかり、主治医より、精密検査と治療のため約1ヶ月の入院を要するという診断を受け、治療に専念することにいたしました」とその理由を説明した。

小澤氏は「この度は、『子どもと魔法』の指揮をできなくなってしまって、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。楽しみにしてくれていたお客様に、心から深くお詫び申し上げます」とコメント。「今回指揮を振れなくても、自分がやりたかったことを長い間一緒にやってきた素晴らしい仲間たちがオペラをつくってくれているので、絶対に素晴らしい作品になります。皆様には、私のたくさんの想いが詰まったこのプロジェクトの成果を、心から楽しんでもらえたら本当に嬉しいです」と呼びかけている。

医師の岡田正人氏も小澤氏の容態についてコメントを発表しており「現時点での指揮活動は心臓への負担が懸念されるため、まずは大動脈弁狭窄症に対する治療を優先すべきであると考えます」と判断。「実際に治療を行い退院するまでに1ヵ月程を要しますが、小澤さんは今後の活動のため体力が落ちないように入院中のリハビリにも積極的に取り組んでいます」とするとともに「治療が一段落し暖かくなる頃には、体力も回復し音楽活動を再開できると考えます」と見通しを語っている。

なお、同公演プログラムのプッチーニ:歌劇『ジャンニ・スキッキ』の指揮者は変更なくジョセフ・コラネリ氏が務める。

■小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXVI 指揮者変更のお知らせ

http://www.ongaku-juku.com/j/index.php

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