「生理は、教育を妨げるものではいけない」生理の映画にアカデミー賞、受賞スピーチが喝采を浴びる

「生理の映画がオスカーをとったなんて信じられない!」とゼタブチ監督は涙ぐみながら叫んだ。

生理と生理のタブーに真っ向から挑んだドキュメンタリーが、アカデミー賞を受賞した。

アメリカ・ロサンゼルスで2月24日(現地時間)に開催されたアカデミー賞授賞式で、短編ドキュメンタリー映画賞を受賞したのは、Netflixで公開中の「ピリオド ー羽ばたく女性たちー」。

ライカ・ゼタブチ監督はオスカー像を受け取った後、「生理の映画がオスカーをとったなんて信じられない!」と涙ぐみながら叫んだ。

プロデューサーのメリッサ・バートン氏は「生理は生理。女の子たちの教育を妨げるものであってはならない」と呼びかけた。

「ピリオド ―羽ばたく女性たち―」はインド・デリー郊外の村を舞台にした短編ドキュメンタリー。

村では生理がタブー視されているため、女性たちが学校を辞めなければいけない、寺院に参拝できない、生理用品が手に入らない、といった困難を抱えて生きる。

そういったタブーが、生理用ナプキンを安く製造できる機械を導入することでどう変わるのかを、ドキュメンタリーは描く。

ゼタブチ監督は受賞後のインタビューで、インドの女性たちから聞いて驚いたエピソードを語った。

「(インドの)大勢の女性や男性に話を聞きました。回答の中で私たちが仰天したのは、ずっと生理を経験していた女性が、生理が何かを説明できなかったことです」

「生理について知らず、なぜ毎月生理がくるのかも理解していなかった。ずっと、自分は病気だと思っていたのです」

プロデューサーのメリッサ・バートン氏(左)と監督のライカ・ゼタブチ氏
Craig Sjodin via Getty Images
プロデューサーのメリッサ・バートン氏(左)と監督のライカ・ゼタブチ氏

バートン氏によると、同ドキュメンタリーがアカデミー賞にノミネートされた後、「NPO団体・The Pad Projectと協力して、ナプキン製造機を他の場所にも設置して欲しい」というお願いが、制作チームの元に山ほど届いた。

「ナプキン製造機が欲しいというメールを、世界中から2500通以上受け取りました。本当に素晴らしいことです。この後、私たちはこの仕事に取り組みます」

ゼタブチ監督は、アカデミー賞受賞という栄誉を、生理のタブーをなくすために使っていきたいと語った。

「私たちは変化を起こすためにオスカーを使います。誰もが生理について話せるようにしたい」

生理のドキュメンタリーがオスカーを受賞したという快挙に、SNSでは喜びの声が溢れた。

俳優のリース・ウィザースプーンやプリヤンカ・チョープラー、作家のシェリル・ストレイドらもお祝いのコメントを寄せた。

「『生理は生理。女の子たちの教育を妨げるものであってはならない』。今夜一番のセリフ」

「生理の映画がオスカーをとった」

「『ピリオド ―羽ばたく女性たち―』 が短編ドキュメンタリー映画賞をとったなんてすごい!生理の映画が受賞!まだ見てなければ必ず見て」

「アカデミー賞で、生理の話をしているけど現実?それとも夢?」

「今夜の特別な瞬間の1つ…。生理のタブーを取り上げた映画が、最優秀短編ドキュメンタリーを受賞した」

「この女性たちが『生理は生理。女の子たちの教育を妨げるものであってはならない』って言うのを聞いて泣いた」

「『ピリオド ー羽ばたく女性たちー』は、誰もが見るべき素晴らしい短編ドキュメンタリーだ」

「この女の人、生理のことを叫んでいる。気に入った」

「生理の映画がオスカーを受賞!おめでとう『ピリオド ー羽ばたく女性たちー』。革命的なことを成し遂げた」

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。