生理特有の症状をポップなメッセージとメロディーに合わせ、ダンスとともに表現しているミュージックビデオがTwitterで話題だ。
7月13日にTwitterで流したところ、5万以上のリツイート、14万以上のいいね!がついた。この動画を作ったのは、京都の大学2年生、「あべ」さん。自身が出演もしている。この動画のねらいや経緯を聞いた。
歌詞
男性「もしもし、えー今月も?」
女性「すいません」
男性「それくらいコントロールしなよ。」
女性「すいません」
男性「月末の忙しい時にさ」
白いズボン履けない
甘いものが食べたい
小6にて生理と出会い
女性の平均閉経 50歳
耐えるぜ何十年も
朝起きたらベッドが殺人現場
汚れた下着を洗う虚しさ
頭痛 腹痛 腰痛 肌荒れ
常に眠いわ イライラとまらん
連続コンボの合わせ技
あぁ 乙女はいつも大変だけど
いつかあなたの子供生むため
言っちゃダメなことって 誰が決めたの?
キラキラと 頑張れ女の子!
きっかけは、ツイートと学校の課題
この動画は4月、大学の映像入門の授業で出た課題にあわせて作られた。テーマは自由で1分近い動画を作ること。
課題が出た時期と、「あべ」さんの生理がちょうど重なった。「あべ」さんは、生理からくる様々な変化にいつも困っている。倦怠感、イライラ、腹痛...。
中でもひどかったのは生理前のイライラだ。気が立ってピリピリしてしまい、家族にも気を遣われるほどだった。2018年1月、産婦人科に月経前症候群(PMS)の疑いがあると、ピルを処方してもらったが、完全に症状がなくなったわけではなかった。
この辛さを他の人にもわかってほしいと思った。
タイトルの「キラキラガールズデー」は、キラキラした従来の生理用品のCMのイメージを皮肉って名付けた。
その当時話題になっていたツイートも、ヒントになった。
「生理の日に、楽しそうにしている人を見たことがありません」とあべさんは言う。確かに、生理は本当は辛いのに、CMではキラキラしたシーンばかりが映る。あまりにも現実離れした映像では、周囲の理解をなかなか得られないのではないか。そう思って、仲良くしていた同級生に「課題でこんな動画作りたいねんけど〜」と軽く相談すると、2人とも「ええやん!」と快く受け入れてくれた。
できあがった動画は、「キラキラ」イメージの背後にある、生理の辛さを口にすることのタブーを打ち破った内容となった。「全体的にポップにしたのも、苦しんでいる女の子たちを応援したかったから。ポジティブな曲で人の心にとどめたかった」とあべさんは言う。
男性にも女性にも見て欲しい
同時に男性にも女性にもこの動画を見て欲しい、とあべさん。カフェでバイトをしていた時に、なかなか男性の上司に生理について話せなかった苦い経験がある。
共感する声も多い中、「いつかあなたの子供生むため」というフレーズへの批判もあった。「あなたの」子供ではなく、「私の」子供でいいのではないか。子供を産めない人に寛容ではないーーなどの意見もあった。「いろんな意見があっていいと思います」と、あべさんはいう。「動画をきっかけにして、痛みへの理解が広がれば」
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