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駐車場の上に店をつくる?元大手外資系メーカー営業が惹かれた、空中店舗フィル・パーク事業とは

2005年に創業し、2017年には100棟目をオープンしたフィル・カンパニー。2014年~2018年で70棟を展開している。
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2016年、従業員わずか13名で東証マザーズへの上場を果たしたフィル・カンパニー。展開するのは「駐車場の上部 ”未利用” 空間に『空中店舗』をつくる」という不動産ビジネスだ。今回取材した吉水将浩さんもそのビジネスモデルに惹かれた一人。30歳目前、外資系大手化学メーカーからベンチャーへ。その決断の裏側に迫る。

従業員13名で東証マザーズへ

コインパーキングと商業ビルのハイブリッドーーそれが、”空中店舗”フィル・パークだ。

駐車場の上部、“未利用”である空間に建物(フィル・パーク)を建設し、テナントを誘致。土地オーナー向けに駐車場+テナント賃料収入の付加価値を提供していく。

2005年に創業し、2017年には100棟目をオープン。2014年~2018年で70棟を展開している。

「フィル・パーク事業は少ないリスク・コストで土地活用が提案できる新しいビジネスです。駐車場はコストがかからず安定的な収益を獲得できますが、その上に店舗をつくることで更なる賃料収益が生まれます」

こう語ってくれたのが、戦略事業本部アライアンス推進室マネージャーの吉水 将浩さんだ。もともと、外資系大手化学メーカーで営業としてのキャリアを歩んでいたが、30歳を目前にフィル・カンパニーに転職。彼が惹かれたポイント、そしてなぜ同ビジネスに挑むのか。その裏側に迫った。

〈フィル・パーク 五反田〉2016年3月に竣工。1階は一部駐車場、1階~3階部分には、グローバルチェーンのフィットネスクラブが入居。さらに屋上には開放的なテラスが設置され、近隣に住む人たちにとって、身近な存在となっている。
〈フィル・パーク 五反田〉
2016年3月に竣工。1階は一部駐車場、1階~3階部分には、グローバルチェーンのフィットネスクラブが入居。さらに屋上には開放的なテラスが設置され、近隣に住む人たちにとって、身近な存在となっている。
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大手外資でのキャリアを捨てて選んだ道

「自分自身の成長が鈍化しているんじゃないか。正直、こういった不安があったんですよね。前職は、大手でとても働きやすい環境。安定もしていた。ただ、20代で安定を選んでいいのか、と」

そのような危機感を抱いたという吉水さん。30歳が目前に迫るころ、キャリアを見つめ直すなかで出会ったのが、フィル・カンパニーだった。

「まずビジネスモデルに可能性を感じました。確実にこれから求められていく会社のはず」

グローバル展開する数千名のグループから、10名にも満たないベンチャーへ。

「迷いは全くありませんでしたね。何よりも自分の直感を信じてみようと思ったんです」

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「まだ20代でしたし、もし失敗してもやり直せる、そういった自信もありました。だったら心から“おもしろい”と信じられる会社の成長にコミットしたい。そうすることで自分自身を成長させられるんじゃないかと考えました」

その背景には、彼の仕事への向き合い方がある。

「仕事は、私にとって自分を成長させてくれる大事な手段だと捉えています。仕事をしていく中で、知らなかったこと、できなかったことが次々に出てくる。それならば、より大きな挑戦をして、もっと知識や経験を深めていきたい。それが人生で一番楽しいことだと思っていますし、重要なポイントでした」

フィル・カンパニーの特徴は、吉水さん同様、多くの“異業界出身者”が活躍していること。

「もちろん不動産の知見は活かせますが、必ずしも業界経験が求められるわけではありません。フィル・カンパニーは、実際に入居するテナントの視点で企画を提案する。どのようなお店だったらうまくいくか、周辺相場などを調査して、客層や動線、賃料設定など経営視点から考えていきます。むしろ店舗経営や企画の視点こそが活かせると思います」

従来の不動産業界とは異なった視点での提案。多くの異業界出身者たちが活躍している背景に、業界慣習・常識に囚われない同社の営業スタイルがあると言えそうだ。

フィル・カンパニーの未来について語ってくれた吉水さん。「土地という資産を有効活用する選択肢はまだ多くない。その中でフィル・パークが新しい選択肢の一つとして選ばれはじめています。さらに早いスピードでフィル・パークを増やしていき、街に必ず一つはフィル・パークがある、そんな未来をそう遠くはないものにしていきたいと思っています」
フィル・カンパニーの未来について語ってくれた吉水さん。「土地という資産を有効活用する選択肢はまだ多くない。その中でフィル・パークが新しい選択肢の一つとして選ばれはじめています。さらに早いスピードでフィル・パークを増やしていき、街に必ず一つはフィル・パークがある、そんな未来をそう遠くはないものにしていきたいと思っています」
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フィル・パークを「地域活性」のトリガーに

「実は”まちづくり”という視点においても、注目いただけるようになっています」

具体的な事例として挙げられたのが、三鷹市で手がけた案件だ。

「たとえば、三鷹市の第三セクターから相談をいただいたのが”三鷹駅近くの駐輪場を活用して、街を明るくしたい”という内容でした」

市で課題となっていたのが、駐輪場の周りに建物が少なく、夜薄暗いということ。活用できる土地が限られる中、選ばれたのがフィル・パークだった。

「放置された自転車などが置かれて、きれいとは言いづらい状況でした。そこで私たちは駐輪場の機能はそのままに、上部に3階建ての商業ビルを企画し、提案しました」

そして2010年、フィル・パーク三鷹が竣工。入居するテナントは、今や三鷹市における人気の飲食店の一つにまでなった。

「“あそこの飲食店によく行きます”や、”明るいので、フィル・パークの前を通って帰ってます”など、三鷹に住む方たちから嬉しい声をいただくことができた。こうして街を変え、元気づけていけるのが喜びですね」

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目指すのは「新しいカタチのまちづくり」

「フィル・パークは、それこそどこでも企画できます」

彼らが構想するのは「新しいカタチのまちづくり」とも言える。

「たとえば、駅から離れた場所であっても、隠れ家的なお店として打ち出すことで、新しいお客様の集客も不可能ではない。街の導線が少し外に伸びていく、町がだんだん広がっていく。そういう開発をしたいし、私達にしかできないと思っています」

2017年には日本郵政、いちご社との提携を発表。今後、アライアンス企業との展開も期待される。新たなビジネスの種は各所に生まれている。

「たとえば今、本社のあるフィル・パークKaguLab.IIDABASHIで、駐輪場シェアリングサービスなど、様々な実験的トライアルを行なっています。うまくいったものは、他の場所にも展開させていく予定です」

そして最後に伺えたのが、彼らのビジネスの根幹にある思い。それは端的に「ユーザーファースト」だという。

「“ユーザー”とは土地オーナー、そして入居テナント、近隣の方々を含めた店舗を利用するお客様。オーナー様が何を叶えたいか、その土地で生活している方々は何を求めているか。様々な方面から調査し、徹底的に考え抜く。フィル・パークは建物ではなく空間づくり。ひいてはまちづくりへとつながります。フィル・パークによって街の景色が変わっていく。そんな新しい不動産のスタンダートをつくっていきたいですね」

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