トランプ支持派の男性が銃撃され死亡。ポートランド市長「あなたが憎しみと分断を作った」大統領を批判

ポートランドで続く衝突。市長がトランプ大統領を名指しで非難しました

人種差別への抗議デモが続くアメリカ・オレゴン州ポートランドで8月29日、男性1人が銃で撃たれて死亡した。

ワシントン州を拠点に活動している右翼団体「ペイトリオット・プレイヤーズ」リーダーのジョーイ・ギブソン氏はAP通信に、亡くなった男性は同団体のサポーターだと伝えた。

ギブソン氏はまた、亡くなった男性がジェイと呼ばれていたとFacebookで明かしている。

銃撃の現場に立つ、ポートランド警察官
銃撃の現場に立つ、ポートランド警察官
Nathan Howard via Getty Images

約600台の車による、トランプ大統領支持ラリー

5月末に黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官によって殺されてから、ポートランドでは90日以上、警察の暴力と人種不平等への抗議デモが続いている。

これに対抗するトランプ大統領支持者との衝突も起きており、8月29日には大統領支持者が車で隊列を組んで、大統領の支持を表明する「トランプ2020クルーズラリー」が行われた。

AP通信によると、ラリーには約600台の車が参加。隊列は何キロにも渡って続き、ポートランド市の中心部で渋滞を引き起こしたと警察は伝える。

現地で撮影された動画には、アメリカの国旗やトランプ大統領の旗をつけた多くの車が、ポートランドを走る様子がうつっている。

ペイントボールや催涙ガスを使って攻撃したラリー参加者もおり、各地で衝突が発生したという。

「ポートランド郊外にいます。何百台ものトランプ大統領支持者が集まっていて、彼らは今夜ポートランドに向かうと言っています」

「西に向かっているドライバーは全員、トランプ大統領の旗をつけています」

「衝突が起きています。トランプ支持者たちがペイントボールや催涙ガスで攻撃をしてきた。私も撃たれました」

トランプ大統領はTwitterで、ラリー参加者を「愛国者だ!」と賞賛している。

ポートランド市長がトランプ大統領を強く非難

ポートランド警察によると、銃撃の詳細はわかっておらず、犯人は捕まっていない。チャック・ラヴェル警察署長は、情報提供を呼びかけている。

事件翌日の30日には、ポートランドのテッド・ウィーラー市長が記者会見を開き、暴力を避け平和的なデモをして欲しいと訴えた。

さらに市長は会見で、ポートランドの混乱を引き起こし、暴力の原因を作ったのは大統領だとトランプ大統領を強い言葉で非難した

記者会見するウィーラー市長
記者会見するウィーラー市長
Nathan Howard via Getty Images

トランプ大統領へのメッセージとして、ウィーラー市長は次のように語っている。

「大統領、あなたはなぜこの何十年で初めて、アメリカでこれほどの暴力が起きているのか真剣に考えたことがありますか?」

「憎しみと分断を作ったのはあなたです。あなたは、警察官に殺された黒人たちの名前に触れていない。警察でさえ彼ら名前に触れているのに」

「そしてあなたは白人至上主義者が善人だと主張している。あなたの恐怖を煽るキャンペーンや、あなたが私たちの美しい国にうんだ憎しみや攻撃的な言葉は、民主主義に反します」

「近代史の中で、あなたは誰よりも私たちを分断しようとしてきた。そしてあなたは今、あなた作るのを助けた暴力を私たちにやめさせようとしている」

「アメリカが必要としているのは、あなたを止めることです。そうすれば私たちは、団結したアメリカに戻ることができます」

アメリカ国旗やトランプ大統領支持の旗を掲げてラリーに参加した人々
アメリカ国旗やトランプ大統領支持の旗を掲げてラリーに参加した人々
Anadolu Agency via Getty Images
ポートランド中心に乗り入れるラリー参加者を阻止しようとする、人種差別抗議デモ参加者
ポートランド中心に乗り入れるラリー参加者を阻止しようとする、人種差別抗議デモ参加者
Anadolu Agency via Getty Images

人種差別抗議デモが続くポートランドにトランプ大統領は7月、武装した連邦職員を派遣した。これに市民が反発し、大規模デモに発展した。

ウィーラー市長の強い非難に対してトランプ大統領は、「馬鹿な市長のせいで、ポートランドは元には戻らないだろう」「我々は連邦裁判所を守るために、小さなグループを派遣しただけだ。なぜなら彼が何もできないからだ」と市長を批判した。

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