これはすごい!育休が「在宅勤務しつつ取れる」ようにバージョンアップ!!

先週、某大臣と自民党女性議員の方々にレクチャーした際に、お付きの官僚の方から「駒崎さんからあの時のテレビ討論で提案があった件、実現しそうな状況らしいですよ」と声がけ頂きました。あの時のテレビ討論というのは、グロービス社長の堀さんが司会をしているBS「ニッポン未来会議」

厚生労働省、育休給付の支給要件緩和 在宅勤務拡大向け10月めど - SankeiBiz(サンケイビズ)

先週、某大臣と自民党女性議員の方々にレクチャーした際に、お付きの官僚の方から「駒崎さんからあの時のテレビ討論で提案があった件、実現しそうな状況らしいですよ」と声がけ頂きました。

あの時のテレビ討論というのは、グロービス社長の堀さんが司会をしているBS「ニッポン未来会議

この番組は、従来のテレビでありがちな「問題を指摘して終わり」ではなく、「じゃあどうやって解決するのか」という対案を出そうぜ、というのが特徴的なもの。

対案出すのが3度の飯より好きな僕は、これ幸いと、幾つかアイディアを番組の中で政府関係者にプレゼンしました。

その一つが「半育休」でした。

僕は3歳の娘と1歳の息子の、計2人子どもがいるのですが、計2回とも育休をそれぞれ2ヶ月間取りました。

僕は現在従業員200人弱の団体の経営者で、当時も経営者ではあったので、自分が育休を取ることには恐れを抱いていました。

やっぱり経営者だし・・・と。

とはいえ妻の負担を軽くし、自分も子ども達と一緒に過ごしたかったので、何とか仕事を整理して育休に臨んだのでした。

しかし、「100%完全に仕事から遠ざかる」ということはせずに、1日1.5時間だけメール処理やビデオ会議等を行い、自分でないと判断できないことのみに絞って意思決定したのでした。

結果として、2ヶ月間経営者が(ほぼ)いなくても、組織は問題なく回っていきました。

しかも「結局自分はこれだけやっていれば組織は回るんだ」ということに気づき、優先順位付けを改めてできたので、ワークスタイルの変革を導く大きな収穫を得ました。

この僕がフル活用した「育休時に毎日ちょこっと在宅勤務」というのは、実は今は一般的にはできません。

現行制度では、月に11日以上働くと育休給付金がもらえなくなるのです。

僕は経営者であって育休給付金をもらっていたわけではないので、勝手にやれたのですが、普通はできないわけです。

もしできれば、僕のように「完全に休めはしないけど、家からちょこっとやれば、育休が取れる!」というパパ達にとって福音になるのではないか、と思ったわけです。

つまり、「完全育休」に対し「半育休」ですね。

実は、イクメン大国スウェーデンでは、この「半育休」が制度化されています。

スウェーデンでは、一日のうち半分だけ育休を取り半分出勤しても良いし、4分の3育休とって、4分の1働いても良いのです。フレキシブルな育休制度が、男性の育休取得率向上を結果として導いたのでした。男性育休取得率は日本1.89%に対して、スウェーデン74%(!)です。

さて、この「半育休」が、10月をめどに日本でできるようになるかも!ということなのです。

うおー、田村厚生労働大臣(及び高市議員を始めとした関係議員の皆さん)グッジョブ!!

厚生労働省の皆さん、ここまで来たら、絶対やって下さいな。

これからは、「完全に仕事からサヨナラ」しないと育休を取れない、という時代は終わるわけです。

もっとカジュアルに、フレキシブルに取れていけるのです。

これから出産を考えている方。特にパパ達は、「忙しくて育休取得なんて無理」と思考停止しないで、テレワークしながら、産まれたばかりの子どもとの時間を過ごしましょう。そして人事部の皆さんは、制度変更に伴って、もっと柔軟な育休制度の社内ガイドラインを作成していきましょう。

育休中、妻と力を合わせて未知の生き物相手に試行錯誤したことは、僕にとって一生忘れられない大切な思い出となりました。

2時間に1回起きる子どものおむつを深夜代え続けた経験があれば、その後の子育ての大変さなんて何程のものもありません。

そして関われば関わる程、子どもへの愛情は深まり、自分の命より大切な存在を持てた喜びを得ることができました。

この制度の実現によってより多くの男性が、このかけ替えのない経験を、より軽やかにできることを、心より願っています。

小さな、しかし意義の大きな制度改革に踏み出して下さった田村厚生労働大臣や厚生労働省担当課の方々に深い感謝を。

(でも、結局やらない、で終わらせないで下さいね。後生ですから)

そして変化のきっかけを与えてくれた堀さんをはじめとした「ニッポン未来会議」のスタッフの皆さん、ありがとうございました。

(2014年3月3日「駒崎弘樹公式ブログ」より転載)

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