検察庁法改正、立憲・枝野氏「火事場泥棒だ」⇒安倍首相、今国会での成立が必要と反論

5月11日に開かれた衆議院予算委員会の集中審議で、立憲民主党の枝野幸男代表の質疑に答えた。
枝野幸男氏(左)と安倍首相(右)
枝野幸男氏(左)と安倍首相(右)
時事通信社

Twitter上で「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグが話題となっている検察庁法改正をめぐり、安倍晋三首相が今国会での法案成立の必要性があるという認識を示した。

5月11日に開かれた衆議院予算委員会の集中審議で、立憲民主党の枝野幸男代表の質疑に答えた。

検察庁の人事をめぐっては1月、この2月に63歳となり定年退官の予定だった黒川弘務東京高検検事長について、定年を8月まで延長することを閣議決定した。

また検察庁法改正案では、検事長など幹部が63歳で退職する「役職定年」を設けた上で、内閣が認めればその年齢を過ぎても役職にとどまることができるとする内容が盛り込まれた

国家公務員法改正案の一部として提出された。5月8日の衆院内閣委員会では、森まさこ法務相の出席要請を拒否されたことなどを理由に立憲民主党などが欠席のまま、自民、公明などが質疑を強行した

これに対して「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグが付いたツイートが1日で数百万件も投稿され、議論を呼んでいた。

枝野氏は11日の集中審議で、国家公務員法改正については「大筋賛成です」と前置きした上で、検察庁法の改正について「安倍政権が黒川検事長の定年を脱法的に延長したものを、事後的に正当化しようとするものです」と指摘。

「違法があれば総理大臣すら逮捕できる、その検察庁の幹部人事を内閣が恣意的にコントロールできるという、権力分立原則に抵触する大問題だ」と訴えた。

枝野氏は、新型コロナ禍に改正案が提出されたことも追及。この状況下で国民や国会での落ち着いた議論が難しい点や、集会やデモができないことをあげて「どさくさ紛れで火事場泥棒で決められるようなことではありません」と強調した。

「総理は感染症危機を乗り越えることよりも、世論に背を向けて、自分の都合の良い法律を作ることを優先して、危機の状況を政治的に悪用しているんじゃないですか」と問いただした。

これに対して安倍首相は「法案の審議のスケジュールは国会で決めること」と説明。国家公務員の定年引き上げについて、職員の職業生活設計に大きな影響があるとして「今国会で法案を成立する必要があるものと考えています」と述べた。

問題の検察庁法改正案についても「趣旨・目的は同じで、一つの法案として束ねた上で、審議をしていただくのが適切であると承知しています」と答えた。

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