仕事のイライラ、実は「ちょい足し」が原因かも

些細な気遣いで信頼が増すのは仕事にプラスです。でも、「ちょい足しが当たり前」になると話が変わってきます。

締め切りを1日早く出すとか、相手の気付かないかった仕事の漏れをカバーしておくとか。ちょい足しとは相手の求める仕事に、ちょい足しで返すことです。

別の言い方をすれば「気付ける人」です。だからちょい足しの出来る人って仕事で重宝されます。きっと信頼も増していくことでしょう。

ここまでは良いんです。些細な気遣いで信頼が増すのは仕事にプラスです。でも、「ちょい足しが当たり前」になると話が変わってきます。

ちょい足し=相手の期待になる

仮に仕事の期日より1日早いちょい足しをしたとします。はじめは相手も喜んでくれることでしょう。仕事の速さを評価されるかもしれません。

でも2回目、3回目以降はどうなるか...。このちょい足しを加味した期日が投げられる可能性があるんです。1ヶ月と見込んで仕事だけど、あの人なら3週間で、、、その次は1ヶ月だけど2週間で...。

こうして相手がちょい足しに乗っかってくると、少しずつあなたの首を絞めていく結果になる。信頼を裏切りたくない気持ちがあれば、多少無理をしてでも相手の要求に応えるでしょう。そして、ちょい足しの負のスパイラルが始まります。

こうしてちょい足しの搾取が起こる

こうした善意のちょい足しの搾取する行為は色んな場所で見られます。この職場にも少なからずあります。契約の範疇を超えた責任を任せられること、無理を承知でも他の選択肢がない場合。適任者がいないという無言の圧力。。。

でもこれ上司や取引先のような、相対的に立場が上の人に限ったことじゃないんです。同僚や仲間内であっても頻繁にちょい足しの搾取が起きます。

いつも頼りになる○○さん、本当は無理を押して仕事をこなしているかもしれません。皆さんの期待を裏切りたくない一心で頑張り続けるしか無いんです。

「きっとやってくれる」「あの人に任せれば安心だ」「あの人はデキるから」こうしたフレーズは信頼された証拠と言えば聞こえは良いですが、相手のちょい足しを搾取している可能性を忘れてはいけません。

ちょい足しの搾取かも?と思ったら

もしあなたが「ちょい足しを搾取されている?」と感じたら、思い切って無理だ!と声を上げましょう。言葉にしなければ、あなたへのちょい足しの搾取は収まりません。また「あえてやらない」という実力行使に出ても良いかも。

反対に「ちょい足しを搾取している?」と感じたら、相手の様子をゆっくり観察してみてください。常にイライラしていたら要注意。キャパギリギリで、もがいている可能性があります。

ちょい足しの搾取が始まると、お互いにイライラするんです。搾取する方は「何でやってくれない?」と苛立ち、搾取される方は「なんで自分ばっかり...」と苛立つ。

信頼は素晴らしいことですが、過度の信頼はちょい足しの搾取に繋がります。相手は笑顔で泣いていることだってあるんです。

(2015年4月15日「なわとび1本で何でもできるのだ」より転載)