悪ガキのイタズラからロボットが身を守る方法とは? 日本の研究者が考案

子どもたちは、時に意地悪だ。数人の子供たちが集まると、ロボットを押したり、叩いたり、あるいはロボットを取り囲むように輪を作って逃げられないようにすることがある。

子どもたちは、時にいじわるだ。ロボットならそれを知っている。

ロボット工学エンジニアは、小さい子どもたちのある行動傾向を発見した。幼稚園生や小学生は、親が近くにいない時、ロボットに意地悪をするのだ。これを検証するためエンジニアらは、ロボットが歩行者の行き交うショッピングモールを走行する様子を観察した。小さい子どもが両親とロボットに近づいた時、子供はロボットを少しの間だけ、進路を塞ぐなどして冷やかすが、すぐにどこかに行く。しかし、3、4人の子供たちが集まると、ロボットを押したり、叩いたり、あるいはロボットを取り囲むように輪を作って逃げられないようにすることがある。

最初の研究結果では、研究者はロボットが人間味のある親しみやすいものだったとしても、子供たちは動物に対しても見られる意地悪な行為をすることを示唆した。人間がロボットに同情するのは、大人になってからだ。

解決法は?研究者はロボットが状況を判断し、端的に言えば大人に言いつけるようにプログラムした。状況を判断することで、ロボットは子供が一人でいるか、大人と一緒にいるかを判断できる。意地悪をされる危険性が高まった時、例えば複数の子供たちが集まってくると、ロボットは進路を変更し、最も近くにいる身長の高い人の所へと向かう。子供たちがロボットに意地悪をする可能性は低くなり、ロボットは安全が確保できるまでそこで待機する。

ロボット倫理の専門家であるKate Darling博士は以下のように記している

次に、彼らは意地悪を回避するアルゴリズムを設計しました。小さな人間がロボットに寄ってたかって追い込む状況を回避するためです。これは実際に小さな人を意味しています。ロボットは、一定の身長以下の人たちから逃げて、身長の高い人がいる場所へと向かいます。ロボットは人と出くわした際には、その人がロボットと関わっている時間、歩行者の密集度、身長140cm以上かどうかを検出し、意地悪される可能性を計算します。統計的に危険だとロボットが判断した場合、進路を変更し、更に人が密集している場所、あるいは身長の高い人がいる場所に向かいます。こうすることで、子どもがロボットの頭をペットボトルで叩くことをやめさせる大人が近くにいることが確認できます。(ボトルで叩かれることは数回しかありませんでしたが。)

残念ながら、それでも子どもたちはまだロボットを「バカ」と罵り続けるだろう。とても悲しく、不公平なことだが、恐れることはない。その内ロボットも賢くなるだろう。

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

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