ギンズバーグ最高裁判事の最後の願いは「大統領が変わるまで、自分の後任が選ばれないこと」だった

体が弱っていく中、亡くなる数日前に孫に最後の願いを伝えていました
ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏(2020年2月14日撮影)
ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏(2020年2月14日撮影)
Shannon Finney via Getty Images

アメリカの最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ氏が9月18日、すい臓がんの合併症で亡くなった。87歳だった。

女性の権利・地位向上のために長年闘い、1993年から最高裁判事を務めてきたギンズバーグ氏。

彼女が孫に伝えた最後の願いは、大統領が変わるまで自分の後任が選ばれないことだった。

「私の最大の願いは、新しい大統領が決まるまで、自分が取って代わられないこと」。NPRによると、亡くなる数日前に体が弱っていく中で、ギンズバーグ氏はこう述べたという。

アメリカ最高裁の判事は定員が9人で、大統領が指名して議会上院が承認する。

ギンズバーグ氏は1993年、サンドラ・デイ・オコナー氏に続く2人目の女性の最高裁判事に選ばれた。

ギンズバーグ氏の死去により、最高裁判事はリベラル派の判事が3人、保守派の判事が5人になった。

もしトランプ大統領が保守派の判事を指名して承認されれば、アメリカの最高裁判所は今後数年、保守派が強固な地盤を築くことになる。

ジョージタウン大学での討論会に参加したギンズバーグ氏(2020年2月10日)
ジョージタウン大学での討論会に参加したギンズバーグ氏(2020年2月10日)
Sarah Silbiger via Getty Images

最高裁判事を巡る、民主党と共和党の闘い

保守派の最高裁判事アントニン・スカリア氏が2016年2月に亡くなった後、バラク・オバマ前大統領はコロンビア特別区巡回裁判区控訴裁判所のメリック・ガーランド判事を後任に指名した

しかし上院の共和党議員は「大統領選挙の年に大統領が最高裁判事を指名すべきではない」という理由でガーランド氏を承認せず、就任を阻止した。

ギンズバーグ氏が亡くなった今、大統領選挙はわずか6週間後に迫っている。しかし共和党の議員は、次の大統領が決まるまでギンズバーグ氏の後任選びを待たないようだ。

上院多数党院内総務を務める共和党のミッチ・マコーネル氏はギンズバーグ氏が亡くなった18日、「トランプ大統領の指名した人物が、上院での承認を得ることになる」という声明を発表した。

この共和党の姿勢に、民主党上院院内総務のチャック・シューマー氏は反発している。

シューマー氏はギンズバーグ氏が亡くなった後、「次の最高裁判所判事の選出には、国民の声が反映されるべきだ。従って新判事の空白期間は、新しい大統領が選ばれるまで埋められるべきではない」とTwitterに投稿した。

この言葉は、スカリア氏が死去した後のマコーネル議員のツイートをそのまま引用した言葉だという。

ガーランド氏の就任が上院によって否認された後、トランプ大統領が保守派のニール・ゴーサッチ氏を最高裁判事に指名し、2017年に承認された。

現在上院では共和党が多数を占めており、共和党議員が何人か反対に回らない限り、トランプ大統領が指名した判事の就任を阻止できない。

ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。

注目記事