【船戸結愛ちゃんの虐待死】東京地裁で母親に懲役8年の判決。裁判員からは「自分にも被害者と同じくらいの子供が…」の声

第一回公判では「このまま進行できるか不安になった」シーンもあったという。
東京地裁の法廷の資料写真
東京地裁の法廷の資料写真
時事通信社

地裁で9月17日、船戸結愛(ふなと・ゆあ)ちゃんの母親である船戸優里被告の裁判員裁判の判決公判があった。

東京都目黒区で2018年、当時5歳だった結愛ちゃんが両親から虐待を受けた後に死亡したとされる事件に関して、優里被告は保護責任者遺棄致死の罪に問われていた。この日、東京地裁は懲役8年(求刑・懲役11年)の実刑判決を言い渡した

■「これから生きて行く上でとても大切な体験となった」

同日、裁判員を担当した男女4人が司法記者クラブで会見を開いた。今回の裁判に関わった感想として、ある女性からは「大きな裁判に関わらせていただいて、これから生きて行く上でとても大切な体験となった」という声が出た。

「5歳児の虐待死」として、社会的に大きな話題になっている裁判を担当したことへの緊張感が伝わってきた。

第一回公判で裁判長に名前を問われた優里被告が、しばらく答えられず、声を殺してむせび泣く一幕があった。このときの心境を聞かれた男性の1人は、「このまま進行できるか不安になったけど、そのあとは大丈夫でした。被告が『加害者でもあるし、被害者の母親でもある』と言っていたのを見て『大変なんだな』と思いました。(検察と弁護人の)どっちにも寄らず証拠をみて判断するように気をつけました」と話していた。

記者団からは「裁判中に被害者の結愛ちゃんの心情を考えてつらくはなかったか?」との質問が出た。先ほどとは別の男性が、「私自身にも被害者と同じくらいの子供がいまして、被害者の苦しみを想像してしまうこともありました」として、つらい胸のうちを語っていた。

事件後に優里被告と離婚した元夫、船戸雄大被告の初公判は10月1日に開かれる予定だ。

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