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2019年04月09日 11時47分 JST | 更新 2019年04月09日 11時47分 JST

トラブル肌でも快適な睡眠を。洗濯機で洗えるシルクスリープウエアを開発した、ある女性の思い

「お母さんの胎内に宿ってから永遠の眠りにつくまで、いつも一番側に寄り添うお守りのような肌着でありたい」

A-port

洗濯機で洗える100%シルクのベビー肌着を展開している「TAMAMONO」。そのコンセプトは、「お母さんの胎内に宿ってから永遠の眠りにつくまで、いつも一番側に寄り添うお守りのような肌着でありたい」というもの。

代表の加藤なぎささん自身が幼少期からのアトピー、また二人のお子さんも同じくアトピーで、肌トラブルに悩まされてきた経験から、2年前に生まれた。そして、この5月末には、同じシルク素材で、赤ちゃんからおじいちゃん、おばあちゃんまでが着られるスリープウエアが、クラウドファンディングによって商品化される。

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■シルクの良さを広めたいという思いで試行錯誤

「敏感肌にとっては、自然素材のコットンさえも刺激が強い。その点、シルクはなめらかな肌触りで、肌への負担が少なくてすみます。私自身の実体験から、その思いを強く感じていました」と加藤さん。

それを日常使いできる肌着に応用することを可能にしたのが、洗濯機で洗えるシルク素材との出会いだった。これまでも洗濯機で洗えるシルクは、世の中に流通していたが、それらの仕組みは、繊維の束をシリコンでコーティングするというもの。「結局、繊維の外側、肌に触れる部分は化学繊維と変わらない。シルク本来のよさが失われてしまっているのです」(加藤さん)

そう考えていた加藤さんが3年前に出会ったのが、株式会社山嘉精練(京都府亀岡市の「SHIDORI」だ。

シルクのタンパク質の成分に注目することで、シリコンコーティングをしなくても、普通の家庭用洗剤を使って洗濯機でそのまま洗える。

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洗えるシルクの仕組み

「これでぜひ製品をつくりたい!」と企画を進めたが、すぐに壁にぶつかったという。日本ではシルク生地の在庫はほとんどなく、糸を発注するところからスタートしなければならない。また、シルクの生産は1カ所で完結できず、養蚕→製糸→撚糸→精練→染色→絹織→整理加工→縫製と8つの工程を別々の工場で手がける。さらに縫製では、通常よりミシンのスピードを落として丁寧に縫い上げる高い技術も必要だ。

「シルクでベビー肌着をつくりたいといくつもの工場に交渉を重ね、ようやく1年かけて商品化できました。ここであきらめては、日本のシルクの伝統もなくなってしまうかもしれない、という気持ちもありました」(加藤さん)

国内での製造工程にこだわり、ようやく生まれたベビーシルク肌着のTAMAMONO。しかし、シルクの場合、それぞれの工程で加工が難しいこともあり、製造工程で製品ロス率が5〜6割も生じる。結果的に大幅な赤字となってしまった。

「いくらすばらしいシルク製品でも、これではビジネスとして成立しません。なんとか違う方法がないかと模索を続け、島精機の『ホールガーメント』という手法にいきつきました」(加藤さん)

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工場の様子

「ホールガーメント」は、数本の糸から直接、立体的に編み上げる製法で、生地を縫製せずに編み上げる。縫い目がないため、敏感肌の人には、より着心地のよいものとなる。型紙に合わせて生地を裁断する必要がなく、余すところなく貴重なシルク生地を使い切ることが可能だ。

■全世代、家族全員が着られるシルクのスリープウエア

洗えるシルク素材の「SHIDORI」と、それを使った「ホールガーメント」製法で新しい商品を手がけたい──。

これまで手がけてきた赤ちゃん向け肌着だけでなく、もっと幅広い世代の人たちにシルクの心地よさを体験してもらいたいと、開発に乗り出したのがスリープウエアだ。キッズ、レディース、メンズでサイズ展開。ベビー肌着と合わせ、「わたしも、こどもも、おじいちゃんも」家族全員が使えるように考えた。

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「健康には快適な睡眠が欠かせません。シルクは吸湿性、放湿性に優れ、快適な温度に保ってくれることで、深い眠りを呼びます。デザインは、ゆったりした着心地で寝返りも気にならないように工夫。シルク中にゴムを入れるなど締めつけ感もありません」(加藤さん)

■かゆくて眠れない悩みも解消

4月13日までクラウドファンディングに取り組んでいる。5月末から随時商品を発送していく予定だ。

「ベビー用シルク肌着を発売して2年。多くのお母さんから、子どもの肌トラブルの悩みやご相談を聞いてきました。このスリープウエアで、子どもだけでなく大人の方にも、かゆみで眠れない夜から解放されて、ぐっすりと良質な睡眠をとってもらいたいですね」(加藤さん)

洗濯機で手軽に洗え、肌にやさしいシルクのスリープウエアが、毎日の眠りを変えてくれるかもしれない。
プロジェクトの詳細は、こちら

(工藤千秋)