スレイヤーズ18年ぶりの新刊、売り切れ続出。ドラグ・スレイブ級の重版が決まった【UPDATE】

リナ=インバースはAmazon在庫も殲滅し、全国の書店へ走るスレイヤーズ難民がうまれた

ライトノベルの神様と言っても過言ではない、 ファンタジー作家・神坂一さんによる小説を原作とする「スレイヤーズ」。ラノベという存在を広く一般に知らしめた金字塔的な作品だ。

1995~2009年に放送されたテレビアニメは5シリーズ、家庭用ゲーム、劇場版アニメ、OVAやドラマCDなど、さまざまなメディア展開を広げてきた大人気シリーズに、18年ぶりの新刊となる第16巻「アテッサの邂逅」が発売された。

だが、新刊はものの数日で書店から姿を消し、Amazon在庫も発売日にはきれいさっぱりなくなった。

この状況に、KADOKAWAは重版を決定。11月下旬には書店へ配本されるという。

版元、KADOKAWAが重版決定

版元の出版社であるKADOKAWAの在庫も「ゼロ」とTwitterに投稿している書店もある。ハフポスト日本版が在庫数について10月22日にKADOKAWAに問い合わせたところ「今後の刊行状況・重版については弊社からのご返答は差し控えさせていただきます」との回答だった。

だがこの後、反響を受けてKADOKAWAは重版を決定。この決定についてKADOKAWAは「店では売り切れが続出し、皆さまのお手元に十分お届けできないという事態となってしまいました。申し訳ございません......」「皆さまの熱いご声援にお応えし、この度『スレイヤーズ16』の発売即大重版が決定いたしました」と発表した。

富士見ファンタジア文庫は、10月24日、リナ=インバースの必殺技にかけて「竜破斬(ドラグ・スレイブ)級の大重版が決定しました!」とツイート。

KADOKAWAによると、初版を手にできなかったファンに向け、重版分もリバーシブルカバー仕様で作成した。

在庫がない...

ファン待望、もはや感涙ものの新刊発売ということで、発売日には各地の書店では売り切れが続出。

アニメイト秋葉原店にも、京橋、日本橋の書店にもすでに無い...Twitterではスレイヤーズ難民と化したファンたちによる、どこに何冊あったかの報告が飛び回り、書店が完売報告を投稿していた。

スレイヤーズの新刊
スレイヤーズの新刊
KADOKAWA(Amazonより)

Amazonの在庫も殲滅

スレイヤーズ18年ぶりの新刊である第16巻「アテッサの邂逅」。Amazonでは発売前に在庫が途切れた。kindle版もあるが、やはり15巻までそろえた本棚には、紙も必須の1冊だろう。
スレイヤーズ18年ぶりの新刊である第16巻「アテッサの邂逅」。Amazonでは発売前に在庫が途切れた。kindle版もあるが、やはり15巻までそろえた本棚には、紙も必須の1冊だろう。
Amazonより

スレイヤーズの新刊は、発売日にはAmazonから消えてしまい、注文したくても買えない状態に陥っていた。

一般書籍から同人誌、アニメグッズを扱うメロンブックスでは、発売前に一般ノベルズ部門のランキング1~10位すべてが「スレイヤーズシリーズ」になってしまった。発売2日後の10月22日時点でも、1、2位と6~20位までを席巻していた。

ランキングがみんなスレイヤーズに
ランキングがみんなスレイヤーズに
メロンブックス公式サイトより

ある書店員は、新刊を手にした客の様子について「何か声を掛けたかったけど、あまりにも幸せそうな姿に言葉がでなかった」とTwitterに投稿。18年の月日と、ファンの愛の重みを感じさせる。

スレイヤーズとは

スレイヤーズは、1990年に第1巻が発売されたライトノベルをもとにしたメディアミックス作品。執筆はファンタジーやSF作品を主に手掛ける作家の神坂一さんで、イラストはあらいずみるいさんが担当している。累計発行部数は2000万部を超える大ヒットを記録している。

主人公である自称・美少女天才魔導士のリナ・インバースの視点で描かれる魔法ものファンタジーで、独特の呪文や、個性あるキャラクターが人気を集めた。

1995年から始まったテレビアニメでは、主人公のリナを人気声優の林原めぐみさんが務めたほか、相棒の剣士ガウリイ=ガブリエフには松本保典さん、旅の仲間たちには緑川光さんや鈴木真仁さんら実力陣が固め、傑作と名高い。アニメシリーズは、2009年にかけて5作品が放映された。

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