女性を性奴隷にしチャットで共有「n番部屋」創始者に無期懲役を求刑 韓国

未成年を含む大勢の女性を脅し、残虐な性的画像を共有した事件。被害者2人に対しては凶器で自身の身体にわいせつな文字を刻ませていたことも明らかに。
「ガッガッ」ことムン・ヒョンウク容疑者
「ガッガッ」ことムン・ヒョンウク容疑者
慶北地方警察署

韓国で、未成年を含む多くの女性を脅して「奴隷」にし、テレグラム上の秘密のチャット部屋で残酷な性的映像を共有していた「n番部屋事件」。一連の事件に使われたチャットルームの創始者、通称「ガッガッ」と呼ばれていたムン・ヒョンウク被告(24)に対し、無期懲役が求刑された。

中央日報によると、大邱地裁安東支部で開かれていた裁判が10月12日に結審した。検察側は、未成年者に対する性搾取物を制作・流布したとする児童青少年保護法違反など12の罪で起訴されたムン・ヒョンウク被告に対し、無期懲役を求刑した。

ムン被告が「ガッガッ」というハンドルネームを使用して「n番部屋」を創設したのは2019年2月。検察は、2020年1月までにムン被告が「n番部屋」にアップロードした映像の数は、3762となり、確認された被害者数は39人であると明かした。

また、ハンギョレによると、ムン被告は2017年1月から2019年7月にも、275回にわたり、児童・青少年21人に対して性的な映像を撮影するように要求し、送らせていた。さらに2018年11月から2019年3月まで、複数の共犯者と性搾取映像を制作していたことも検察により明らかになっていた。

さらに、中央日報によると、被害者の父母3人に対しても、子供の性的搾取映像を流出させると脅迫し、また、被害者2人に対しては凶器で自身の身体にわいせつな文字を刻ませていたことも明らかになっているという。

検察は、裁判で無期懲役を求刑した理由について、「被告人は、緻密で計画的、そして個人の欲望の充足のために罪を犯した。多数の被害者が発生し、映像を流通させることで被害を受けさせ続けた」と述べた。

また、検察は保護観察と電子装置装着命令、就業制限命令などを下すようにも裁判部に要請したという。

韓国の「n番部屋事件」とは?
チャットツール「テレグラム」上で発生した韓国の事件。犯人グループはSNSで女性をだまして性的な写真を入手し、それを元に脅迫する手口でさらにエスカレートした性的搾取画像や映像を送らせたりしていた。画像などは複数の有料チャットルームで共有され、金を払った会員26万人(重複含む)がそれを見ていた。被害者の女性は未成年を含む多数にのぼる。現在、警察が把握した被害者は10人だが、逮捕された容疑者の供述から70人程度と推測されている。韓国政府は、チャットルームの有料会員になって閲覧していた者も含む全員を厳正に調査し、処罰する方針だ。

注目記事