週刊SPA!に5大学すべてが「女性蔑視」と抗議  「ヤレる女子大RANKING」の特集

「女性の名誉と尊厳を傷つける」とフェリス女学院大学や大妻女子大などが声をあげました
問題の特集が組まれていた週刊SPA!12月25日号
問題の特集が組まれていた週刊SPA!12月25日号
Amazonホームページより

扶桑社が発行する「週刊SPA!」の12月25日号の特集記事に対し、「ヤレる女子大学生RANKING」などという内容が掲載された問題で、記事に名前が出た大学が次々と抗議を表明した。

記事に大学名を掲載、5大学すべてが抗議の意

法政大は1月9日、田中優子学総長名でコメントを掲載。週刊誌編集部に、再発防止を求める厳重な申し入れをしたことを報告した。

2018年12月25日発行の週刊誌に、本学女子学生を含む女性の名誉と尊厳を貶める記事が掲載されました。その内容は、該当する大学学生の安全を著しく脅かすものでもあります。本学では、この記事について深く憂慮し、週刊誌編集部に、再発防止を求める厳重な申し入れをおこないました。

「ダイバーシティ宣言」を発し、「人びとの権利を重んじ、多様性を認め合う『自由な校風』」(法政大学憲章)を掲げる大学として、本学では今後も、学生の安全を守り、女性を含めたあらゆる人の権利と尊厳が重んじられる社会の構築に貢献してまいります。

2019年1月9日

法政大学総長 田中優子

実践女子大も、大学のホームページ上で「雑誌記事への厳重抗議について」と題して更新。1月8日に学長名で扶桑社へ厳重抗議した経緯をつづった。

12月18日発売の雑誌の記事において、女性軽視、女性蔑視といえる内容が掲載され、本学及び本学学生の名誉及び尊厳を損なう記載がありました。

本学は出版社に対し、1月8日に学長名で厳重に抗議しました。

本学は、「品格高雅にして自立自営しうる女性の育成」を教育理念として、「男女共同参画」、「ダイバーシティ」の社会の中で活躍する人材を育成して来ました。

本記事の内容について、強く遺憾の意を表明します。

実践女子大学・実践女子大学短期大学部

学長 城島 栄一郎

また、 「横浜方面に住んでいて終電が早い」といった理由でランキングに入れられたフェリス女学院大は、ホームページでこの記事を「女性の名誉と尊厳を傷つける」と断じ、遺憾の意を表明した。

扶桑社の発行する『週刊SPA!』2018年12月25日号において、女性軽視、女性蔑視といえる内容の特集記事が掲載されました。

女性の名誉と尊厳を傷つける今回の記事や同様の記事に対し、本学は、ここに強く遺憾の意を表明いたします。

フェリス女学院大学

大妻女子大は「女性の名誉と尊厳を著しく傷つけ、安全を脅かす」と記事に対する危機感を示し、厳重抗議。

株式会社扶桑社発行の週刊誌『週刊SPA!』2018年12月25日号において、女性軽視、女性蔑視につながる内容の記事が掲載されました。

本学は、女性の名誉と尊厳を著しく傷つけ、安全を脅かす記事に対し、深い憂慮を表明するとともに、本学、本学学生及び卒業生を代表し、出版社に対し、厳重に抗議いたします。

大妻女子大学

中央大はこの特集について「前時代的な考え方に基づく記事が、本学の女子学生のみならず広く若者の尊厳を損ない安全を脅かすものである」とし、女性蔑視に基づくものだとして見解を出した。

2018年12月25日号掲載記事の女性蔑視に基づく内容について深い憂慮を表明します。

本学は、個人の尊厳を尊重する教育環境を提供するため、人権講演会、ハラスメント防止啓発活動、ダイバーシティ推進など、さまざまな形で学内外の皆さまとともにより良い社会の実現に向けた取り組みを教育機関として推進しております。

このたびの前時代的な考え方に基づく記事が、本学の女子学生のみならず広く若者の尊厳を損ない安全を脅かすものであることを、出版社が重く受け止めるよう要望します。

中央大学

週刊SPA!「読者の皆様の気分を害する可能性のある特集になってしまった」

週刊SPA!の12月25日号では、インターネットマッチングサービス運営者の見解として「ヤレる女子大学生RANKING」と題して5大学の実名を掲載。記事では「ヤレる『ギャラ飲み』」として、男性が女性に金銭を支払って行う飲み会について書かれていた。

この他、過去には「女性の"お持ち帰り率"がアップするお酒は? テキーラがNGなワケ」などという特集を組んだり、「ちょいちょいおバカで親しみやすい」などの理由を挙げて「ヤリマン生息数RANKING」として大学名を掲載したりしていた。

これらの記事に対し、ネット上では「準強姦罪を推奨しているようにみえる」「女性軽視だ」と批判の声が噴出。

12月25日号に対しては署名サイトで1月4日に「女性を軽視した出版を取り下げて謝って下さい」という呼びかけが始まった。

問題となっている特集について、週刊SPA!編集部は「読者の皆様の気分を害する可能性のある特集になってしまったことはお詫びしたいと思います」などと報道各社にコメントを出した。

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