スペースX、従業員10%のリストラを発表 対象は約6000人

SpaceXは前澤友作氏らの月周回旅行プロジェクトで巨額の費用が必要だと報じられている。
イーロン・マスク氏と巨大ロケットBFR
イーロン・マスク氏と巨大ロケットBFR
Reuters / イーロン・マスク氏のTwitterより

実業家イーロン・マスク氏のアメリカの宇宙開発ベンチャー「SpaceX」(スペースX)は1月11日、従業員の10%をリストラすると発表した。 対象となるのは約6000人。長期の事業目標を達成するために必要だという。ハフポストUS版などが報じた。

SpaceXは、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の前澤友作社長と契約し、民間初の宇宙旅行を計画していることで知られている。

ハフポストUS版によると、スペースXの広報担当者は声明で次のように述べた。

顧客のニーズに継続して対応し、「惑星間を移動する宇宙船」や「宇宙でのインターネットの開発」で成功を収めるため、スペースXはより引き締まった企業にならなければならない。どちらのプロジェクト、たとえ個別に取り組みが行われていたとしても、これまでにもいくつかの組織を破産に追い込んできた。

私たちは、彼らが達成したすべてのことと、スペースXの使命へのコミットメントに深く感謝する。これは、今後待ち受けるの途方もない難題のために行われるものであり、そうでなければ必要なかっただろう。

スペースXって、どんな事業で稼いでいるの?

ロサンゼルス・タイムズによると、SpaceXは、民間衛星の打ち上げのほか、アメリカ政府から、国家安全保障関連の衛星の打ち上げを請け負っている。

NASAとも2つの契約を結んでいる。うち1つは、国際宇宙ステーション(ISS)に貨物を配達する数十億ドルの規模に達する。もう1つの契約は、ISSに宇宙飛行士をするカプセルの開発で、開発費用は約26億ドル(約2800億円)。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、スペースXは2018年12月の資金調達の際に、企業価値を305億ドル(約3兆3100億円)と評価された。

月周回旅行は、早ければ3月に飛行試験

今後、同社のプロジェクトで巨大な費用がかかると見られているのが、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの代表取締役社長・前澤友作氏らを月周回旅行につれていくとする「#dearMoon」計画だ。人類の火星移住を目指して開発中の大型ロケット「ビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)」を利用し、6〜8人のアーティストも周回旅行に同行する。

このプロジェクトの費用は20億ドル(約2200億円)〜約100億円(約1兆1000億円)に上ると報じられている朝日新聞デジタルによると、早ければ3月にも飛行試験を行う予定だという。

このほか、スペースXは衛星を使って全世界に高速インターネットを提供する「スターリンク」というプロジェクトも推進している。衛星の配置には、約100億ドルの費用がかかると予想されている。

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