デモ参加者に銃を向けた夫婦が起訴される。トランプ大統領の選挙動画にも出演していた

平和的なデモの参加者に銃を向け、物議を醸していました

人種差別に反対する「Black Lives Matter」のデモ参加者に向かって銃を向けたアメリカの夫婦が7月20日、銃器の違法使用と暴行の罪で起訴された。

起訴されたのは、ミズーリ州セントルイス市に住むマーク・マクロスキー容疑者とパトリシア・マクロスキー容疑者だ。

Lawrence Bryant / Reuters

マクロスキー夫妻は、自分たちの行為は家を守るためと主張していた。

しかしセントルイス市のキンバリー・ガードナー検察官は「暴力を伴わない抗議活動の参加者に、脅すような形で武器を振りかざすのは違法だ」と述べ、夫妻を起訴した。

デモ参加者が家を燃やそうとしていたと主張

マクロスキー夫妻はともに、セントルイスで人身傷害の弁護士をしている。

夫妻は6月28日、自宅前を通った人種差別反対デモの参加者にAR-15セミオートマチック・ライフルとピストルを向け、自分たちの住むゲーティッドコミュニティ(塀やゲートで周りを囲まれた私有地)から出て行くよう叫んだ。

デモ参加者たちは、セントルイスのライダ・クルーソン市長に抗議するため、同じコミュニティ内にある市長の自宅に向かう途中だった。

マクロスキー夫妻は自分たちの行為は家を守るためのものであり「デモ参加者は彼らの家を燃やし、飼い犬を殺そうとしていた」と主張

しかし現場で撮影された動画には、デモ参加者が平和的に家の横を通り過ぎている様子がうつっているが、マクロスキー夫妻が主張するように家を襲う様子はうつっていない。

事件の後、セントルイス警察は捜索令状を取ってマーク・マクロスキー氏のライフルを押収した。そして検察が捜査を進めていた。

トランプ大統領の選挙キャンペーン動画にも出演

デモ参加者に銃を向けたマクロスキー夫妻に対して、多くの批判が集まった一方で、共和党の政治家や銃の愛好家らは、夫妻の行為を擁護してきた。

AP通信によると、ミズーリ州のマイク・パーソン知事は7月17日のラジオのインタビューで「彼らが起訴され有罪判決を受けた場合は減刑する」と述べた。

また、トランプ大統領も「彼らは家を守ろうとしただけ」と、一貫して夫妻の主張を支持してきた。

マクロスキー夫妻は、7月17日にYouTubeに投稿されたトランプ大統領の選挙キャンペーン動画にも出演している。

動画の司会者は、元FOXニュースキャスターで、トランプ大統領の息子ドナルド・トランプ・ジュニア氏の恋人であるキンバリー・ギルフォイル氏。

YouTube / Donald J Trump

ギルフォイル氏に「怒れるデモ参加者たちが、自宅の前にきたときに、どう思いましたか?」と聞かれたマーク・マクロスキー容疑者は、「死ぬかと思いました」と答えた。

「500人以上のデモ参加者たちが、庭でバーベーキューをしようとしていただけの我々に迫ってきたんです」

「数秒のうちに、我々は侵略されるだろうと思いました。我々の家に入ってきて、火をつけ、我々を殺すだろうと」

ギルフォイル氏は「考えるだけでも恐ろしいことですね」「神のご加護がありますように」と共感を示した。

さらに妻のパトリシア・マクロスキー容疑者に対して、夫の横で家を守ったあなたの行為に多くの女性たちが勇気付けられていると賞賛の言葉を述べている。

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