スターバックス、スマホで注文・決済を日本導入 6月26日から都内56店舗で

ドリンクのサイズやエスプレッソのショット数、ミルクの変更など自分好みのカスタマイズも可能です。
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スターバックスは、店に向かう道中でスマホで注文決済し、着いたら商品を受け取るだけの『Mobile Order & Pay』(モバイルオーダー&ペイ)を都内56店舗で6月26日より導入します。同社のロイヤリティプログラム『STARBUCKS REWARDS』参加者向けのサービスとして展開。2019年末までに300店舗に拡大し、2020年内の全国展開を目指します。

『Mobile Order&Pay』は、スターバックスアプリを通じて商品の注文・決済を事前に行えるサービスです。店では注文した商品を受取るだけでOK。注文決済のためにレジの列で待つ必要がないため、時間の有効活用に繋がります。また、店舗での注文と同様にドリンクのサイズやエスプレッソのショット数、ミルクの変更など自分好みのカスタマイズも可能です。

注文すると待ち時間がアプリに表示され、出来上がりの時間を見計らって来店可能。将来的には来店日時を指定した予約注文の実装も検討します。

オーダー手順は下記のとおりです。

・スターバックスの公式アプリを開き、ホーム画面で「オーダーする」をタップ
・店舗・商品・カスタマイズを選択
・オーダーを確定し、登録済のスターバックス カードで決済
・受付番号を取得
・店舗でドリンクを受け取る

スターバックスはこれまで『Mobile Order&Pay』を米国・韓国・カナダ・香港・イギリス・中国などで数年前から展開してきました。スターバックスジャパンの濱野努氏(デジタル戦略本部長)によると、米国では全売上に占める『Mobile Order&Pay』経由の比率は16%に達しているといい、特に米国と韓国では同サービスの導入で売上が向上する効果があったといいます。

▲スターバックスアプリから利用可能(REWARDS会員限定)
▲スターバックスアプリから利用可能(REWARDS会員限定)
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▲注文店舗を選択
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▲レジ注文と同様にカスタマイズが可能
▲レジ注文と同様にカスタマイズが可能
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▲注文が完了すると出来上がりまでの時間を表示。出来上がるとスマホに通知が飛ぶ
▲注文が完了すると出来上がりまでの時間を表示。出来上がるとスマホに通知が飛ぶ
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▲店舗では受け取り番号を提示して商品を受け取れる。受付番号の前半の国名は「注文したコーヒーの原産国」とのこと
▲店舗では受け取り番号を提示して商品を受け取れる。受付番号の前半の国名は「注文したコーヒーの原産国」とのこと
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客の最大の不満「レジ待ちが長過ぎる」を解消

「『混みすぎていてスターバックスに入るのをやめた』などのお客様の不満があった」──。そう語るのは同社の森井久恵氏(CMO)です。『Mobile Order&Pay』はそうした客の不満を解消できるとのこと。また、デジタル戦略本部長の濱野氏は「時間に追われている客が同サービスの提供対象」と語ります。

▲CMOの森井久恵氏
▲CMOの森井久恵氏
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▲デジタル戦略本部長の濱野努氏
▲デジタル戦略本部長の濱野努氏
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「長くバリスタとお話をされるような方ではなく、すぐにでもコーヒーを取って帰りたいという方がメイン。そうしたお客様にとっては、圧倒的に商品を素早く提供することが最大の価値。もちろん、お渡しするときは笑顔で『ありがとうございます』と接客するが、速さを提供できる」(濱野氏)

「サービスのスピードが上がるということは、別の部分に時間を使う余裕が生まれる。急いでいるお客様にはスピードの部分で体験価値を高め、生まれた余裕によって、ゆっくり時間を過ごしたい方に豊かなサービスを提供できる。他国でそうした事例を聞いているので、日本でも実現できると思う」(濱野氏)

レジ人員を「劇的に削減」

また、『Mobile Order&Pay』を導入する店側のメリットについて、前述の売上向上のほか、レジのオペレーションコストを削減できる点も挙げます。「注文の受け取りや決済、現金のやり取りが全て省略できる。注文はスマホの中で決済を含めて完結する。その部分のオペレーション不可は劇的に軽減されるのが(店側の)最大のメリット」(濱野氏)

なお、同サービスは『STARBUCKS REWARDS』会員限定。決済もスターバックスカードのみとなっています。この理由について濱野氏は「ロイヤルカスタマーを重視した」とコメント。また、諸外国に比べて『Mobile Order&Pay』の導入が遅れた理由については「REWARDS会員の基盤が強固になったと判断し、今展開に踏み切った」(森井氏)とコメントしました。

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