反社会的勢力「定義することは困難」 政府が答弁書を閣議決定

質問主意書を提出した初鹿明博議員は「この答弁は酷いな。民間企業はどうやって反社会的勢力かどうかの判断すれば良いんだ!」と憤っています。
11月26日の閣議に臨む安倍晋三首相(中央)ら
11月26日の閣議に臨む安倍晋三首相(中央)ら
時事通信社

政府は12月10日、反社会的勢力について「定義することは困難」とする答弁書を閣議決定した。立憲民主党の初鹿明博衆院議員の質問主意書に答えた。

答弁書によると、政府は、反社会勢力について「形態が多様であり、また、その時々の社会情勢に応じて変化しうるもの」と指摘。その上で、「あらかじめ限定的、かつ、統一的に定義することは困難」とした。

初鹿氏は、これまでの国会答弁や国の作成した資料などで使われた「反社会的勢力」という言葉についても意味を尋ねたが、政府は答弁書の中で「網羅的に確認することは困難」とするにとどめた。

反社会的勢力をめぐっては、桜を見る会に招待されていた可能性を野党議員から指摘されたことを受け、菅義偉官房長官が11月26日の記者会見で「結果的に入られたんだろうと思う」と述べた。しかし、27日の記者会見で菅氏は「(反社会的勢力の)定義は一義的に定まっているわけではない」、「反社会的勢力が桜を見る会に出席したと申し上げたわけではない」と答弁を修正した経緯がある。

質問主意書を提出した初鹿議員は、政府の閣議決定について自身のツイッターで「この答弁は酷いな。民間企業はどうやって反社会的勢力かどうかの判断すれば良いんだ!真面目に取り組んでる民間企業は怒ると思う」と投稿した。

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