イーロン・マスク、タイ洞窟遭難の救助ダイバーからの名誉毀損訴訟に勝訴

ちなみに、ダイバーが求めた賠償額1億9000万ドルは、マスク氏の総資産額の1%にもおよばない。
イーロン・マスク氏
イーロン・マスク氏
Associated Press

2018年に英国人ダイバーを卑劣な言葉で罵ったとして名誉毀損で提訴されていたテスラ/SpaceX CEOのイーロン・マスク氏が勝訴しました。

金融コンサルタント兼ダイバーのヴァーノン・アンスワース氏は2018年に発生したタイの少年サッカーチーム洞窟遭難事故で救助活動に携わっていました。そこへ米国からマスク氏が独自の潜水カプセルを持って現場を訪問。これを作業の邪魔に感じて快く思わなかったアンスワース氏は「売名行為」だとツイート、CNNの取材に対しても「(潜水艦を)尻の穴に挿しておけ」などと発言したところ、マスク氏がそれに気づき、SNS上での罵り合いに発展しました。
マスク氏はアンスワース氏を“sus”、“pedo guy”呼ばわりし、さすがに言い過ぎたと感じたのか一度は謝罪をしてツイートを削除しました。しかし数日後、何を思ったのかBuzzFeedへのメールで再びアンスワース氏を“Child rapist”などと侮蔑する発言を再開し、彼が訴えてこないのは自分の発言が正しいからだなどと主張しました。そしてアンスワース氏は、マスク氏の発言は名誉毀損にあたるとして1億9000万ドル(約206億円)の損害賠償を求めて提訴に踏み切りました。

しかし先週ロサンゼルスで行われた審議では、マスク氏の弁護士は、マスク氏の一連の発言やツイートは単なるレトリックであって、決してアンスワース氏に関する事実を主張するものではないと、訴えをかわす方向の主張を展開。マスク氏は「最初に彼に侮辱されたので侮辱し返してしまった」「“pedo guy”は”不気味な老人”の意をあらわすもので本心ではなく、また言葉どおり受け取った人はいない。アンスワース氏も潜水艦を本気で尻に突き刺せとは言っていない」と以前にも聞かれた主張を述べました。

結果、アンスワース氏は損害を被っていないとの主張が優勢となり、またアンスワース氏がこの件に関して話すことでいくらかの収入を得ていたこともあり、賠償するに当たらないとの判断が下されたとのことです。

ちなみに、アンスワース氏が求めた賠償額1億9000万ドルは、マスク氏の総資産額の1%にもおよびません。

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