中卒・元モデル、29歳社長が考える、やりたい仕事を見つける方法と働き方

「何が本当にしたいことなのか、わからない」。そんなときは、とにかく何でもやってみる。頭で考えてもわからないことは、心がときめくまで、トライすることです。
高畠侑加さん
高畠侑加さん
Suzumi Sakakibara

どうしたら、自分にぴったりの仕事が見つかるのか?

私はバランススタイルという会社の代表取締役をしているので、人事、とくに採用面に携わっています。

今まで私がキャリアを積み重ねていく中で、「働くこと」をどんなふうに捉えてきたのか。学生時代にしていた芸能界で自分がやりかった仕事、そしていましている仕事、もしかしたらほかにも自分にぴったりの仕事があるかもしれません。

そんなたくさんある仕事の中から、どうやって自分がするべき仕事を見極めたらいいか、どうすればぴったりな仕事が見つかるか。

幸い、私は自分のやりたい仕事に出会うことができています。実際にどうしたら見つかるのか。採用やこれまでの経験を通じて、いまの自分なりの答えを書いてみたいと思います。

個々が持つ「Why」を大切に

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cienpies via Getty Images

私たちの会社では一緒に働くスタッフを選ぶ際、一番大切にしているのは、会社の「カルチャー」にフィットするかです。

会社のカルチャーが、働く人の心の幸せを満たす要因になるのか。それを見極めるために個々が持つ「Why」を大切にしています。

つまり「なぜ、この仕事をしたいのか」「その人が持っている一番大切なものは何なのか」を、しっかり聞くようにしています。なぜなら、そこに「その人にとって、働く上で一番大切なこと」が詰まっていると思うからです。だから、多くの企業が学生の就職活動や中途採用の時に、必ずこうしたことを聞くのだと思います。

面接をしていていつも思うのは、「会社の理念に共感した」と簡単にいってしまうのは“危険”だということ。それは、単純に内容の薄い解答用紙を提出するようなものです。

まずは簡単にできることではありませんが、理念だけではなく、その会社の本業=どのようなビジネスで企業がなりたっているのか、という本質をしっかりと把握すべきです。更には、会社がいま成長段階のどのフェーズにいるのかも理解できれば、さらに良いです。つまり、自分の志望している会社のことを、しっかり調べて、分析することがとても大事になってくるということです。

あたなが求めているのは、安定?それともチャレンジ?

企業のことを知るだけでなく自分を知ることも大切です。まずは、自分を分析することです。自分で自分がわからない時には、周りのお友達や、家族に聞いてみるのも良いと思います。

もし自分がその会社で働いたときに、求めることは何なのか。安定なのか、チャレンジなのかを考える必要もあるでしょう。

企業の成長フェーズにおいて、求められる人材や素質は異なってきます。簡単に言うと、大企業で求められる資質と、ベンチャーで求められる資質は、全く異なると思います。自分がどの様なステージ・環境で活躍できるのか、そして、ワクワクできるのか、を知ることは大切です。自分が安定を求めているのか、チャレンジを求めているのかで、仕事は大きく変わってくると思うからです。

仕事をするうえで大切なことは、たった2つ

実際、これまで私の会社で働いているスタッフを見ていて「仕事をする上で大切だな」と感じていることが2つあります。それは“好き”という気持ちと“誠実さ“です。

「好きこそものの上手なれ」という昔ながらのことわざの通り。夢中になれることは、どんな努力でもできるものです。

好き = 努力することも自らの為。

嫌い = 努力することは会社の為。

と考えると変わりやすいのではないでしょうか。

この2つを比べたら、どれだけ結果に違いが出るか、わかりますよね?

そして“誠実さ”に関しては、簡単そうに思えますが、実はとても難しいことです。そして、本当に大切なものだと思います。

結局は、仕事をしていく上で一番大切であり、かつ一番難しいものは、社内外の人たちとの人間関係だと思います。個々のスキルアップは、一人ひとりが努力すれば補える部分もありますが、社員1人で実現できる仕事は実は、会社全体から見ると少ないのです。そこで重要なのが、会社の仲間や、協力会社の方々と共に力を合わせること。1人では少しだった仕事が、協力することで2倍にも3倍にもなることがあります。

自分のプライドのために、自分の失敗を認められずに嘘を付いたり、人の文句を言って、相手を蹴落としたり……。こうした誠実さを欠いた行為があるとチームの士気が下がるだけではなく、チームからのその人自身への信頼は無くなってしまいます。

「何のために、今、自分がその場所(会社)にいるのか」

それを、是非、一度考えてみてください。

仕事がうまくいかないときはどうするか?

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Malte Mueller via Getty Images

もちろん、仕事をしていれば、上手くいかないこともたくさん起きるでしょう。

自分のミスで仲間に迷惑をかけるときも、いち早く自分からミスを共有すべきです。なぜなら、共に働く仲間は、同じ目標を持った同志であり、共に夢を叶える仲間だからです。

時には、会社の上司の言うことや異動、ルールなど疑問を感じることもあるでしょう。

でも、忘れないでください。

会社やそこで働く上司・先輩は、失敗を繰り返しながらも、二度と失敗を起こさないために、少しずつ時間をかけて、ルールや自分なりの働き方を築き上げてきたのです。その考えやルールの裏側には、必ず「理由」があるのです。

疑問に感じて否定をするのは、簡単。

でも、そこで一度立ち止まって、「どうして、会社にはこのルールがあるのか」、そして「上司や先輩は、なぜこんなことをいうのか」を考えてみる。それだけで、自分の成長に一歩繋がっていくと私は思います。

仕事に対して、誠実であれ。

仲間に対して、誠実であれ。

会社に対して、誠実であれ。

と、私は思います。

誠実さがあれば、きっとそれを、誰かが見てくれていると思います。

社員が守られる国・日本がいつまで続くのか

日本は、とても社員が守られている国だと思います。

たとえば、私は外国の企業と仕事をすることが多いですが、数カ月ぶりに交渉に行ったら担当者が変わっていたということも稀ではありません。

それはなぜかというと、日本の会社のように、一度入社したからといって、会社がその人の人生を“守ってはくれない”からだと思います。

日本の会社は良くも悪くも、一度入社したら、多少仕事ができなかったとしても、居場所を作ってくれます。そして、ミスをしても守ってくれる可能性は高いです。一方、外国の企業は、海外の企業と仕事している肌感としては日本みたいに守ってくれるケースは少ないと感じることが多いです。

まさにこの数カ月、世界中で起きた新型コロナウイルスに伴う影響は大きく、実際に海外での何人かのパートナーは、ファイヤー(解雇)されました。そして、その決断は日本では考えられないぐらい早いタイミングでした。

日本もどれだけ大きい会社だって、この時代、何が起きるかは誰にもわからない。自分が思っていた当たり前は、来年には当たり前でなくなる可能性だってあります。だからこそ、上に書いたようなことを心がけて、個々で生きて抜いてく力をつける必要があるのではないでしょうか。

「働く」を通じて「幸せ」を感じられる社会に

最後になりましたが、働く会社を選ぶ上で、私1番のおすすめは、「最後は自分の直感を信じる」です。

とっても単純ですが、どんな結論を出そうとも、自分の人生の責任は、自分にしか取れません。自分のワクワクする好きなことから選ぶのか、条件で選ぶのか。周囲の目を気にして選ぶのか。親の意向を汲むのか。

自分にとって、絶対に”これだけは譲れない!”と思うこと、感じることは何かを知ることが大切だと思います。これは、自分と真剣に向き合えば、きっと見つかるはずです。

それでも「何が本当にしたいことなのか、わからない」という声は本当によく聞きます。

そんなときは、とにかく何でもやってみる。頭で考えてもわからないことは、心がときめくまで、トライすることです。

これ、今、私ときめいてる!!と思える瞬間が、いつかくるはず。

自分でも気づかなくても、周囲が「最近●●をはじめて、良い表情してるね!など言われたら、それが“ときめき”の瞬間かもしれません。

働くというのは、大変なことだからこそ、できるだけ多くの人が仕事を通じて幸せや、やりがいを得られるといいなと心から思っています。

(編集:榊原すずみ

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