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2020年09月17日 13時47分 JST

無実を主張したが約10年の服役、再審で無罪確定⇒国と熊本県を提訴【松橋事件】

県警が宮田さんに対し、ほぼ連日長時間の執拗(しつよう)な取り調べを続けて自白させ、当時の証拠収集状況に合うように自白を誘導したことなども違法だとしている。

朝日新聞社
弁護団から花束を贈られた宮田浩喜さん(中央)=2019年3月28日午後0時35分ごろ、熊本市西区、代表撮影

「松橋事件」で再審無罪確定の男性、国と熊本県を提訴

 1985年に熊本県内で男性が殺害された「松橋(まつばせ)事件」をめぐり、昨年3月に殺人罪について再審無罪が確定した宮田浩喜(こうき)さん(87)が17日、国と熊本県を相手取り、約8500万円の損害賠償などを求める国家賠償請求訴訟を熊本地裁に起こした。弁護団は訴訟を通して、捜査や証拠の取り扱いの違法性を明らかにしたいとしている。

 宮田さんは捜査段階で犯行を「自白」したが、一審途中から否認。無罪を主張して最高裁まで争ったものの有罪となり、約10年間服役した。宮田さんの弁護団は97年、検察側が開示した証拠の中から、宮田さんが取り調べで「犯行後に燃やした」と供述していたシャツの布を見つけた。ほかの新証拠とともに再審請求し、2019年3月、熊本地裁で無罪が確定した。

 再審では、高齢の宮田さんの体調などを考慮し迅速な審理が優先されたため、新証拠は提出されず、自白調書も調べられなかった。そのため、自白の任意性や捜査機関による証拠の取り扱いなど冤罪(えんざい)に至った経緯は明らかにされなかった。

 訴状では、起訴後の捜査で見つかったシャツの布を、検察が証拠として裁判所に提出しなかったことは「証拠隠し」に当たり、違法だと主張。熊本県警が宮田さんに対し、ほぼ連日長時間の執拗(しつよう)な取り調べを続けて自白させ、当時の証拠収集状況に合うように自白を誘導したことなども違法だとしている。(井岡諒)

(朝日新聞デジタル 2020年09月17日 10時46分)

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