NEWS
2019年05月09日 15時47分 JST | 更新 2019年05月09日 15時47分 JST

「”学校に行かなくていい”という大人は、代わりとなる受け皿を」10歳の不登校YouTuberをめぐって論争に

「社会は理不尽で、その中で生きていかないと稼ぎも得られない。学校もそう、10代のうちにそのことを学ぶのも必要だと思う」という意見も。

AbemaTIMES
タブレットやゲームで遊んでいる様子

10連休の長い休みが明け、子どもたちの不登校の問題がクローズアップされている。文部科学省の資料によると、2017年度の不登校児童生徒は、小学校が0.54%(185人に1人)、中学校が3.25%(31人に1人)の割合に上っている。

不登校の子どもや親への支援活動を行ってきたNPO法人「東京シューレ」の奥地圭子理事長は「夏休み明け、春休み明け、ゴールデンウィーク明けが断トツに多くなる。残念ながら自殺する子どもも多くなる時期だ。学校のように上から先生が決めたり、命令したり、全員一緒にではなく、それぞれのペースを尊重して個人個人の持ち味とか気持ちとかを尊重しながらやっていこうと。選択の中には家もあるよということは知っておいて欲しい。”家庭では育たない。どこかに通わなきゃ”と思っている親は多い」と話す。

AbemaTIMES
NPO法人「東京シューレ」の奥地圭子理事長

 そんな中、琉球新報が報じた、”少年革命家ゆたぽん”(10)も話題を呼んでいる。小学校3年生の時に不登校になったというゆたぽんば、「宿題を拒否したところ放課後や休み時間にやらされ不満を抱いた。担任の言う事を聞く同級生がロボットに見え、”俺までロボットになってしまう”と学校に行かない事を決意。学校には行きたい時に行くというスタイルを貫く」といい、YouTube上では「不登校は不幸じゃない。ノートに書くだけが勉強じゃない。色んな人に会うことも勉強だ。”死にたい”という子どもからの相談には”死ぬな、苦しむな、学校なんて行かなくてもいい”」と訴えている。

AbemaTIMES
リディラバ代表の安部敏樹さん

7日放送のAbemaTV『AbemaProme』に出演したリディラバ代表の安部敏樹氏は「日本は今も年間2万人以上が自殺で亡くなっているものの、関係者の努力に寄って減少傾向になってきた。ただ、10代だけが減っていない。社会人の自殺の原因と子どもの自殺の原因は大きく違っていて、かなりの部分は学校の中に原因がある。うちの場合、私も不登校だったし、妹は小2から不登校だった。経験者として言えば、学校に行かなくても社会復帰をする道はいくらでもあるので、囚われずに生きていって欲しいと思う。ただ、最近ではメディアも含めて社会全体が春休みや夏休みが終わったタイミングで”学校に行かなくてもいい”と言うようになってきたが、学校以外の選択肢が用意されていないのも事実。高校の場合はN高などができているが、義務教育課程の場合、あまり受け皿があるわけではない。だから大人たちは無責任に”行かなくていいと”言うのではなく、代わりの場所をちゃんと用意する義務があると思う。その責任を果たしながら”行かなくていい”と言いたい」と話す。

その上で「社会というのは理不尽なものなので、その中で生きていかないと稼ぎも得られないし、自分の子どもに何か買ってあげることもできない。学校もそうだし、10代のうちにそのことを学ぶのも必要だと思う。その中で、普通は家庭や友達、地域がある種の”安全地帯”として機能しているはず。しかし、その理不尽は段階を踏んで学ぶものだし、安全地帯が無い場合を考えなくてはいけない。ゆたぽんさんのように、ネットで多くの人から誹謗中傷が来るような理不尽は普通の大人でも体験しない。そこはちゃんと周りの大人がデザインしてあげないといけない」と指摘した。

AbemaTIMES
「不登校新聞」の石井志昴編集長

不登校になる子どもたちが増加する傾向にあると感じているという『不登校新聞』の石井志昴編集長は「前々から長過ぎる休みが原因ではないと思っている。そうではなく、休む前に起きたトラブル、親にも言えないこと、先生も見過ごしていることなどへの自分の気持ちに、休みになって気がつき、行けなくなるのだと思う。子どもにとって親は”チーム”ではない場合もあり、自分を追い詰める敵ということもある。最初に必要なのは緊急的なケアだと思う。まずは休みが原則だ」と話す。

また、ゆたぽんについて石井氏は「不登校になった直後は、中学生であっても自分で理由を説明できる子はほとんどいない。多くの場合、不登校の理由は10年、20年経ってやっと整理がつくもの。つまり、この10歳の子が深刻ないじめを受けていたとしても全く不思議ではないし、”宿題拒否”だけが注目されるのはかわいそうな気がする」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)