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2019年03月01日 09時36分 JST | 更新 2019年03月01日 10時01分 JST

宮城県沖で90% 今後30年間のM7級の地震確率を政府が予測。「次の地震への準備が必要」と専門家

「重く受け止めてほしい」「津波は起こる」と災害科学の専門家は語る。

今後30年間は、引き続き大地震に警戒すべきだとするデータが明らかとなった。

政府の地震調査委員会は2月26日、東北から関東の日本海溝沿いの海域で、今後30年間にマグニチュード(M)7から8の大地震が発生する可能性についての予測を発表した

政府 地震調査研究推進本部
プレート間地震の評価対象領域(青森県東方沖から房総沖にかけての海溝寄り)

今回の予測は、2011年3月に発生した東日本大震災における地震を受け、同年11月に公表した長期評価を改定したものだ。

予測では、岩手県から茨城県沖という広範囲に渡り連動して被害をもたらした「東日本大震災型」とされるマグニチュード9.0の地震の発生確率は「ほぼ0%」とした。

一方で、今後30年間でM7からM7.5規模の地震の発生確率について、青森県東方沖・岩手県沖北部、宮城県沖では90%を超えており、まもなく東日本大震災から8年となる中、今後の地震発生の可能性について、改めて注意を促した形だ。

■「重く受け止めてほしい」「津波は起こります」と専門家

今回の評価の改定を、災害科学の専門家はどう観ているのか?東北大学災害科学国際研究所・津波工学研究室の今村文彦教授に聞いた。

━━今回の評価の改定をどう受け止めていますか?

東日本大震災はかつてない規模で、復旧・復興は困難を極めました。

それからまもなく8年で、被害にあった住民もあれほどの(東日本大震災のような)地震・津波はもう来ないのかと考えるようになってしまう中で、次の地震への準備が必要なことを再び思い起こさせてくれる発表だったと思います。

━━30年以内では「東日本大震災型」の発生確率は「ほぼ0%」と出たが?

たしかに数字の上では安心材料として受け止めてしまうのも分からなくはないですが、M7級の地震の発生確率が90%以上のところがあるということを重く受け止めてほしいです。

━━「M7」と聞いて、具体的にどのような被害想定をすればいいのか?

例えば、震度でいえば6から7という非常に大きな地震の揺れです。ですから、地震が「東日本大震災型」でなかったとしても、津波は起こります。

津波警報・津波注意報のいずれかが発令される可能性は高いですから、それへの備えを万全にする必要が出てきます。

東日本大震災の時には津波への想定が甘く、情報伝達は混乱しましたし、例えば外国人の避難についても課題が浮き彫りになった。

これらの問題については、地震が発生する前に改善しなければいけないと思います。

━━東日本大震災と、今後起こりうる地震のメカニズムは何が違う?

 一つ大きな違いは、例えば宮城を例にとると、東日本大震災は長期間に渡って溜め込まれたエネルギーが広範囲にわたって放出された、いわゆる「連動型」の地震でした。

しかし今後起こりうるのは、短期間で溜まったエネルギーの放出による地震です。

地震発生が40年に一度のサイクルだとしても、もう東日本大震災から8年が過ぎている。発生の可能性は自然と高まってくるわけです。

宮城以外でも、例えば青森・岩手に関していえば、東日本大震災の時に開放されていないエネルギーがあり、それが放出される懸念があります。

それが、今回「90%以上」という高い発生確率が公表されたことに繋がっているはずです。

 防潮堤が建設されたり、建物が高台に移設されるなど対応は進んでいますが、地震・津波のリスクや危険性が完全になくなるわけではありません。

今回の政府の発表をきっかけに、もう一度災害への意識を高めてほしいと思います。