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2019年03月27日 15時00分 JST

「男が生理語るのキモい」と言われても、僕が発信を続ける理由

まず大切なのは、「理解すること」だと思っています。

男性にはなかなか理解しがたい、生理の仕組みや症状。「女性が大変なのはわかるけど、理不尽なイライラをぶつけられる男性だってツラい……」と思っている方も多いのでは。今回は“生理コラムニスト”の5歳さんに、生理が重い妻に接するとき心がけていることや、生理を理解するためにやってきたことを語っていただきました。

DRESS

ただいまの時刻は深夜1時。

コタツに入ってこの原稿を書いている。横にはスマホを握りしめたままの嫁が気持ちよさそうに寝ている。

つい昨日まで1週間の出張に行っていて、今日ひさしぶりに家に帰ってきた。
今回の出張が決まったときは本当にヒヤヒヤした。僕ら夫婦にとっては最悪のタイミングだったのだ。仕事が決まってすぐに嫁に報告すると、彼女は嘆いていた。

その理由は、生理。


そうなんです。嫁の生理と出張がバッチリ重なってしまったのです。

 

■生理期間の乗り越え方

僕ら夫婦は生理のスケジュールをカレンダーで共有していて、それに合わせて行動をしています。

生理予定日の1週間前からは嫁の情緒が不安定になり、とても寂しがり屋になるので、なるべく仕事は早く切り上げて家に帰るようにするし、おいしい食べものを買って帰ったり、イライラが少しでもなくなるよう工夫しています。

もちろん何をしても八つ当たりされることもありますが、生理前の期間は「心を広く」をスローガンに掲げているので、大抵のことは「まぁまぁ」と受け止めます。
その期間さえ乗り切れば、僕らの夫婦生活はなんとかうまくいくと思っています。

出張中は側にいてあげられない分、いつも以上に意識して連絡を取るようにしました。
超シンプルな「電話作戦」です。

朝起きたらすぐに電話をして、仕事のちょっとの合間にもLINEを送り、少しでも時間が空けばやっぱり電話をして、寝る前にももちろん電話。電話責めです。

嫁は生理前に気持ちがナーバスになるので、寂しい気持ちを1ミリたりとも感じさせてはいけません。「声が聞きたくなっちゃった」と理由をつけて電話しまくるのです。遠く離れていたらなおのことです。

夫婦の関係を良好に保つために一番重要なポイントが「生理期間をどう乗り越えるか」だと僕は思っているので、離れていても生理は気にしています。

 

■生理のことを積極的に発信するようになってから

今でこそこのような対応ができていますが、まだ生理というものを理解していなかった頃は「生理って2日目がツラいんでしょ?」くらいの知識しかありませんでした。

わからないなりに、生理期間中には鉄分を豊富に含む食べものをせっせと買ってみたり、腹巻きをプレゼントして温めたり、いろんなことをやってみました。

「PMS(月経前症候群)」という症状があることも知りませんでした。
嫁はかなりPMSの症状が激しいほうですが、生理前のイライラはあくまでも「症状」であり、本人がコントロールできるものではないと学びました。

このような知識があるのとないのでは、今後のパートナーシップが全然違ったものになると思います。

僕は今までツイッターで夫婦の生理問題についてたびたびつぶやいてきたし、特にここ1年やたらと生理についてコラムを頼まれるようになり“生理コラムニスト”を名乗り始めました。

Webライターの男性で、生理のことをこんなに書いているのは僕だけなのではないでしょうか?


そんな僕の元にはダイレクトメールで生理の悩み相談がよく届きます。

「PMSがツラいです」
「イライラして彼氏に当たっちゃいます」
「生理がきません」
「生理で仕事休みたいです」
「急に不安な気持ちに襲われます」


僕は嫁の生理に8年付き合ってきたので、生理に理解ある男性として相談してくれるのだと思います。

感覚的な問題ですが、一番身近な男性である彼氏にすら生理のことを話すのは恥ずかしいと思っている女性はかなり多いんじゃないでしょうか。

世の中のどれだけの夫婦やカップルが、パートナーの生理を理解しているのか。
手元にはデータがないのだけど、生理の情報共有はもっと広がっていったらいいのにな、と常々思っています。

もっと多くの男性が、生理について発信できる場があればいいと思うけれど、残念ながら男性が生理について自由に語る状況はまだ整っていません。数え切れないくらい生理についてツイートしたり、コラムを書いてきたこの僕でさえそう思います。

「男が生理語るのキモい」という意見が寄せられることもあります。

その感覚もわからなくもないんです。

実生活で、男が生理について語ることってまずないですよね。実際、かなり気をつけて話さないとセクハラにもなりかねません。
女性も生理を恥ずかしいという気持ちはあると思うし、なかなかオープンにできないこともあるでしょう。

ただ僕は、男性が生理を理解していくことは、パートナー間の関係が圧倒的に良くなるのはもちろん、社会での女性への接し方や気遣いにもつながっていくと思っています。

「女性は1カ月のうち1週間は体調が悪い」というのをいつも頭の隅っこに置いておくことが、人間関係、社会問題の改善解決につながると僕は信じているので、わりとマジで発信を続けています。

 

■大切なのは、学んで理解すること

生理前、そして生理中に一番ツラいのは女性です。

でも男性だってツラいのです。
理不尽とも言えるイライラをぶつけられたり、突然泣き出したりするパートナーとどう接していいのかわからないのです。
しかしそれが生理と関係していると気付けたら、なぜそうなるのか、どうしたらいいのか、納得のいく答えが見つかると思うのです。

僕は生理を経験したことはありませんが、生理に苦しめられる嫁の姿をずっと見てきて、その大変さはわかっているつもりです。
だから対策やサポート方法を調べ、実践してきました。数々の失敗も経験しましたし、本もたくさん読んで勉強しました。


まず大切なのは、「理解すること」だと思っています。

男性も女性も、生理の仕組みや個々の症状をちゃんと勉強して理解したらいいんじゃないかなと思うわけです。世界の半分は女性です。35億ですよ。
その35億の人が毎月迎えている生理がどういうものなのか、知っていく必要があるんです。
本当は義務教育の時点で徹底的に勉強するべきなのかな、なんて最近は考えるのですが、それくらい大切です。


僕の横では相変わらず嫁がスヤスヤとコタツで眠っています。

結局、出張の間に生理は来ませんでした。電話でも「まだ来ない、まだ来ない」と聞いていましたが、僕が夕方に帰ってきて、さっき寝る前に「やっと来た」と報告してきました。

生理はストレスを感じていると遅れたり、ホッと気が緩むと急に来たりします。僕が出張に行っている間、嫁はやっぱりストレスを感じていたのだと思います。本人も「わたしの身体ってホントに正直だね」と笑っていました。
今までいろいろと女性の身体について勉強をしてきましたが、心と身体は繋がっているのだなと思います。

スマホのカレンダーにマル印をつけて、また来月に生理をお出迎えできるように心の準備をする僕でした。
おしまい。


追伸:
社領エミさんが執筆した低用量ピルの記事も、すばらしいものでした。

※文中では「妻」を指す呼称として「嫁」を使用しています。本来の意味とは異なりますが、僕が彼女のことを語る上でその呼び方が一番しっくりくるため、そのように表記しています。

Text/5歳(@meer_kato

 

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