「お前らテープ回してないやろな」は“冗談“。吉本興業の岡本昭彦社長が釈明

岡本社長は「コンプライアンスを徹底すること、芸人・タレントファーストを貫けなかったことについて、社長として至らなかったことの責任」として、自身に対して50%の減俸を一年間続けることを発表した。
HuffPost Japan

吉本興業の複数の所属タレントが反社会勢力の関与するパーティーに出演し、事務所を通さずギャラを受け取っていた「闇営業」問題を受けて、同社の岡本昭彦社長は7月22日、都内で記者会見。自身の減俸を発表した。

一方で、雨上がり決死隊の宮迫博之さんと、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんがミーティング中の岡本社長の恫喝発言として告発していた「テープ回してるんちゃうか」という文言については「冗談だった」「和ませるため」と釈明した。

「テープとってんちゃうの」っていうのは、僕的には、そのミーティングに参加をして、打ち合わせがなかなか進んでいなかったので、しゃべりづらいのか、環境が違うのか、なので、その4人(弁護士ら)に退出してもらって、僕1人と彼ら4人で向き合ったときに一つは冗談でテープとってんちゃうのんって。

そこに至る経緯が、そもそも彼らのもらっていないというところから始まったこと。その後もらっていることになったこと。会社としては全力でやりながらも、お互いに不信感があるなら、それはよくないと思いながら、そういう冗談といいますか、和ませるといいますか。

(岡本社長の記者会見発言より 2019/07/22)

6月24日になって、宮迫さんら関係した芸人たちと吉本の会社側とが協議し、田村さんが改めて会見を求めた。

これに対し、岡本社長は関係者以外を部屋の外に締め出した上で、「お前らテープ回してないやろな。亮、ええよ。お前辞めて1人で会見したらええ」と言ったという。

その上で、こうも付け加えた。「やってもええけど、ほんなら全員、連帯責任でクビにするからな。俺にはお前ら全員をクビにする力があるんだ」

この一言により、その場にいた人たちは「全員何も言えなくなった」(宮迫さん)という。

宮迫博之さんらの会見要求に「やってもええけど、全員連帯責任でクビにするから」 吉本の社長が圧力かより

岡本社長は、「反社会的勢力からタレントが金品を受け取っていたことに関し事務所を代表し深くお詫び申し上げる」と謝罪。

さらに、「コンプライアンスを徹底すること、芸人・タレントファーストを貫けなかったことについて、社長として至らなかったことの責任」として、自身に対して50%の減俸を一年間続けることを発表した。

また、大崎会長からも同様の申し出があったとして、大崎会長についても同じ対応にするという。

抜本的な取り組みは表明なく

同じく吉本興業に所属するタレントの加藤浩次さんは同日、自身が番組MCを務める日本テレビ系『スッキリ』(日本テレビ系)で「今、(吉本の)経営側が絶対変わらないとダメ。僕はこの状況が変わらないなら、僕は退社します」として、会社側に抜本的な対応を求めていた。

同社の岡本社長は記者会見の中で謝罪したものの、記者会見の冒頭で打ち出した新たな取組は「コンプライアンスの徹底」と「タレントファースト」の2つのコンセプトと、自身らの減俸のみだった。

同社から契約解除された雨上がり決死隊の宮迫博之さんと、解除されたと報じられているロンドンブーツ1号2号の田村亮さんは20日、独自に記者会見を開いて謝罪。

加えて、週刊誌報道の一部については否定し、会見を開きたいとの2人の訴えに「全員、連帯責任でクビにする」と応じたなどとして岡本社長らの対応を告発していた

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