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2019年07月30日 21時04分 JST

メルカリが鹿島アントラーズの経営権を取得 「ずっとファンだった」

Kasane Nakamura/HuffPost Japan
左から、津加宏・日本製鉄執行役員、庄野洋・鹿島アントラーズ社長、小泉文明・メルカリ社長

フリマアプリ大手のメルカリは7月30日、サッカーJ1の鹿島アントラーズの経営権を取得すると発表した。日本製鉄などが所有する株式の61.6%を買い取る。買収総額は約16億円という。

 

「アントラーズとともに世界を獲る」

メルカリの小泉文明社長は同日、都内で行なった会見で「アントラーズと共に世界を獲る」と意欲を語った。

鹿島アントラーズの前身は住友金属工業(現日本製鉄)のサッカー部。Jリーグ発足当時から強豪チームとして名を馳せ、Jリーグ、Jリーグカップ、天皇杯の国内3大タイトルで最多の優勝回数を誇る。2018年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でも優勝した。

鹿島アントラーズは茨城県鹿嶋市など5つの市をホームタウンとして、地元のシンボル的な存在だった。サポーターたちは「ファミリー」として、根強くクラブを支えてきた。

それだけに、旧鹿島町とゆかりが深かった日本製鉄からメルカリに経営権が移ったことには反発もある。SNSでは「スタジアムの名前が変わるのではないか」「チームの本拠地が移転するのではないか」と心配する声も上がっている。

 

「クラブと地域との三位一体」を強調

メルカリは2017年にオフィシャルスポンサー契約を締結し、現在は選手たちが身につけるユニフォームの鎖骨部分に「メルカリ」の文字が入っている。

会見で、小泉社長は「クラブと地域との三位一体でビジネスを推進していくことが極めて大事」「アントラーズは地域の成功の象徴。地域の協力を得ながら三位一体でチームを強化していく」と、何度も地域密着を強調。

『すべては勝利のために』という鹿島アントラーズの哲学にも共感を示し、「歴代の監督が培ってきたクラブの伝統を変える必要はない」として、補強や育成については「従来のやり方を重視する」と述べた。

小泉社長の父親は茨城県の出身で、幼い頃から鹿島アントラーズには親しんできたという。

「スタジアムのオープン戦も生で観戦し、初めてジーコのサッカーを観て、ずっとファンだった。人口は小さいが、まだまだやれることはある。海も山もある地域なので、サッカー観戦に来た方がサッカー以外の時間を過ごせるような体験の機会を提供していきたい」と語った。

一方、「テクノロジーと地域の共存という成功モデルを作りたい」として、スタジアム内でメルカリのキャッシュレス決済サービス「メルペイ」を導入したり、VRやARなどの技術を使ったりする楽しみ方の開発にも意欲を見せた。

 

「あくまで収益を第一に…」日本製鉄

日本製鉄の津加宏執行役員も「ホームタウン、スタジアムの継続使用、並びに地域貢献への取り組みを積極的に行なってくれると。アントラーズのフィロソフィーを大事にしてくれると約束してくれた。そのうえで、新しいビジネス展開、テクノロジーを活用しながらアントラーズブランドを向上してくれると言ってくれた」と、経営権の売却先としてメルカリを選んだ理由を説明した。

一方、経営権譲渡については「あくまでもアントラーズの企業価値の拡大と経営基盤の強化を第一に考えた。素材産業である当社よりも、新しいパートナーを迎え入れ、新しい経営に移行して事業展開を図るのが最良の方策であるとの結論に至った。あくまで収益を第一に考えている」と苦渋の決断であったことをにじませた。