『痴漢レーダー』が誕生。痴漢に遭ったらポチッとするだけ

キュカが開発した新サービス。痴漢行為の検挙件数は4250件にのぼるが、痴漢に遭っても通報するのは1割程度にとどまっており、実際には10倍以上の被害が存在すると考えられている。

誰もが安心してハラスメント被害を訴えることができるサイトを運営しているキュカが、痴漢を匿名で“通報”できるサービス「痴漢レーダー」を開発した。

サイトを開いて、位置情報の利用を許可し、「通報ボタン」をポチッとするだけ。子どもでも簡単に利用できる。

「通報する」ボタンを押しても、サービスに報告されるだけで警察には通報されない。痴漢被害を報告すると、取得した位置情報を元に最寄駅の被害件数としてカウントされる仕組みだ。

地図上には、近隣で何件の痴漢被害が発生しているか数字が表示される。

痴漢レーダー「通報」画面
痴漢レーダー「通報」画面
キュカ

警察庁によると、2012年の痴漢行為の検挙件数は4250件にのぼる。だが、痴漢に遭っても通報するのは1割程度にとどまっており、実際にはこの10倍以上の被害が存在すると考えられている。

#WeToo Japan」が2019年1月に公表した「公共空間におけるハラスメント行為の実態調査」によると、回答した関東圏の女性6000人のうち半数近くが電車やバス、道路などで「体を触られた」「体を押し付けられた」などの痴漢被害に遭ったことがあると回答した。

さらに、痴漢に遭った時に、駅員や警察に「通報した」のは1割以下。半数以上が「我慢した」と回答した。

「WeToo JAPAN」の資料をもとにHuffpost Japanが作成

キュカの片山玲文さんは「痴漢レーダーを開発するにあたってアンケートを行いました。何年も前の痴漢被害なのに、路線や駅、どんな服装だったか、鮮明に覚えている人が多いことに驚きました」と語る。

「あまりにも日常茶飯事なので、『遅刻するから』『面倒くさいから』という理由で通報しない人もいます。痴漢レーダーで、こうした声なき声をあぶり出したい」

キュカでは、痴漢レーダーで全国各地の被害状況をデータとして可視化し、警察などに共有する予定だ。パトロール強化や監視カメラ設置、痴漢を通報した時の遅延証明書の発行などの対応策を提案していくという。

LINEでも

痴漢レーダーのLINEに友達登録をすると、毎朝、前日の痴漢被害の集計状況が送られてくる。もちろん、LINE画面からの通報も可能だ。

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