シティーハンター原作・北条司さんも「やられた!」 フランス実写版が11月に公開、キャラ再現度が高すぎる

原作の世界観を忠実に保ちつつ、シティーハンターが新宿からヨーロッパに飛び出した!
ティーザービジュアル (C) AXEL FILMS PRODUCTION - BAF PROD - M6 FILMS
ティーザービジュアル (C) AXEL FILMS PRODUCTION - BAF PROD - M6 FILMS
(C) AXEL FILMS PRODUCTION - BAF PROD - M6 FILMS

1980年代から連載が始まり、一大ムーブメントを起こした不朽の名作『シティーハンター』。2019年2月には、20年ぶりのアニメ映画として復活し、話題をさらった。

シティーハンター人気は海外でも不動のものだ。同じく2月にはフランスで実写版が公開され、国内だけでも168万人を動員し社会現象に。

フランスでは、シティーハンターの主人公・冴羽獠(さえば・りょう)は『NICKY LARSON』と呼ばれている。

この実写版『NICKY LARSON et le parfum de Cupido(ニッキーラーソンとキューピッドの香り)』が11月、遂に日本に逆上陸する。

原作の北条司さんが脱帽「これは思いつかなかった、やられた!」

実写版といえば、ファンには残念なお知らせとなることが多い。だが、この実写版シティーハンターは、昔からのファンにも、新たに魅力に取りつかれた人も納得の出来と言えるだろう。

邦題は『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』。

物語の重要なキーは、フレグランス大国フランスらしい「香水」だ。この「キューピッドの香り」をめぐって、軽やかなギャグとハチャメチャなアクションが繰り広げられる。

サブタイトルは、この“香り”と獠ちゃんの「最高」のパートナー、槇村“香”のダブルミーニングからきている。

実写版が制作されると知るやいなや、根強い人気のあったフランス国内では「大丈夫…なのか!?」と不安の声が駆け巡った。

だが、そのビジュアルや予告編が公開されると、期待の声が上回るように。海坊主でしかない海坊主、冴羽獠の乗る愛車のミニ、獠と香のファッションや立ち振る舞いが、もう原作の世界観そのままなのである。

フランス版の予告編を見てもらえれば、シティーハンターファンだったら胸躍る人も多いはず。後ろに流れているのは冴羽獠がピンチに陥った時、そしてカッコよく反撃する時に必ず劇中で流れるあの曲、『Foot Steps』だ。

もうこの監督、分かってるでしょ…感がスゴイ。それもそのはず、監督&主演を務めたフィリップ・ラショー氏は、アニメ『シティーハンター(NICKY LARSON)』がフランスの子ども向け番組『クラブ・ドロテ』(1987-97)で放送されていた頃からの大ファン。

ラショー監督は、企画書・プロットに直筆の手紙を添え、北条司さんの事務所に送った。そのプロットを北条さんが気に入り、その後、脚本を携えラショー監督が来日し、映画化の許諾を得たという。

さらにこの映画では、内輪のファンだけの盛り上がりでは終わらない。「冴羽獠ならこんなシーンがあっただろう」という原作の雰囲気を尊重しつつ、完全に新たな筋書きのなかで、舞台を新宿からヨーロッパの風光明媚な世界にうまく飛び込ませた手法は、新たなファンの獲得にも余念がないだろう。

北条さんは実写版に「こういう手法で冴羽獠の危機を作るのか!これは思いつかなかった、やられた!」とコメント。「これぞシティーハンター」と太鼓判を押した。

フランスで注目、コメディ作品が大ヒットしたラショー監督って?

1980年生まれ、38歳のフィリップ・ラショー監督。メガホンをとるのは4本目だった。

フランスのコメディ界では新進気鋭の若手監督として知られている。

もともと、ラジオやテレビのプレゼンターなどとして2000年代初めから活動。その後、俳優として頭角を現し、2014年に監督としてデビューした。

初監督作品は『Babysitting』(邦題:「真夜中のパリでヒャッハー!」)。社長からいきなり息子のベビーシッターを頼まれた男性社員が、誘拐事件に巻き込まれるハプニング劇だ。

続く『Babysitting2』(邦題:「世界の果てまでヒャッハー!」)がフランスを超えて世界中でヒットした。

ラショー監督は底抜けにハッピーな作品を送り出すフランス・エンタメ界の若手クリエイターとして、注目を集めている。

今回のシティーハンター制作にあたり、ラショー監督は「まずは原作に極力忠実であること。その上で、シティーハンターの世界観と自分のユーモアを融合させた、現代的なアクションコメディを作ることを心がけた」と語っている。

《フィリップ・ラショー監督のコメント》

ようやく日本の権利元と連絡がつき、18ヶ月かけて書いた脚本を持って北条先生に会いに行き、その48時間後にOK がでたんだ。

北条先生から、脚本が原作に忠実で、このストーリーは原作にも入れたかったと言ってもらった。

最高の褒め言葉で、天にも昇る気持ちだったよ!

その時のことを考えると、こんなにも早く日本の皆さんに観てもらえる日がやってくるなんて!お手柔らかに!

《原作者・北条司さんのコメント》

今年(2019年)は、シティーハンターの劇場アニメ版公開からはじまり、このフランス版の日本公開で締めくくることができ、まさに“シティーハンターイヤー”となりました。

大変うれしく思います。監督の愛が詰まった、ワクワク、ドキドキするアクションコメディ映画となっています。シティーハンターを応援してくれる方には是非ご覧いただきたいです。

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