新種恐竜「カムイサウルス」と命名。アイヌ語由来、意味は「日本の恐竜の神」

国立科学博物館で開催中の「恐竜博2019」でも、「むかわ竜」から「カムイサウルス」に表示が変更された。
「カムイサウルス・ジャポニクス」と命名されたむかわ竜の化石(手前)と骨格標本の前で握手する、北海道大学の小林快次教授(左)と北海道・むかわ町の竹中善之町長=9月4日、東京都台東区
「カムイサウルス・ジャポニクス」と命名されたむかわ竜の化石(手前)と骨格標本の前で握手する、北海道大学の小林快次教授(左)と北海道・むかわ町の竹中善之町長=9月4日、東京都台東区
時事通信社

北海道むかわ町で発掘された「むかわ竜」が新種の恐竜だと認定され、これに伴い「カムイサウルス・ジャポニクス(Kamuysaurus japonicus)」と言う学名が付けられた。イギリスの科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に9月5日(日本時間6日)、論文が掲載された。

「カムイ」はアイヌ語で「神」を意味する。「カムイサウルス・ジャポニクス」は直訳すると「神トカゲ」という意味になる。

発掘調査の指揮を執った北海道大総合博物館の小林快次教授は「日本の恐竜の神という意味を込めた」と命名の由来を語り、「日本で恐竜化石中で一番保存のいい全身骨格で、日本を代表する恐竜」と語った

カムイサウルスは、全長8メートルにもなるハドロサウルス科の大型恐竜。恐竜が絶滅する白亜紀末期に生息したとされる。2003年に尾の一部が発見され、国内最大となる全身の8割以上の骨が見つかった。

通常のハドロサウルス科の恐竜と異なり、頭にはトサカが付いていた可能性が高く、海岸線で集団で生活していたと考えられている。

「カムイサウルス・ジャポニクス」の命名が決まった9月6日は、奇しくも最大震度7を記録した北海道胆振東部地震から1年の節目の日。

国立科学博物館で記者会見した竹中喜之町長は「復興を目指しているむかわ町との、なにか運命的なものを感じている」 と語った。

「恐竜博」も展示を変更

国立科学博物館で開催中の「恐竜博2019」でも、「むかわ竜」という展示タイトルの下に「カムイサウルス」を表示。先着10万人を対象に、カムイサウルスの特製カードを配布するキャンペーンも打ち出している。

【訂正:2020/8/13 13:00】文中で「向井町」と表記している箇所がありましたが、正しくは「むかわ町」でした。

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